北京
PM2.577
23/19
日本の時事通信は10日、米国、英国、カナダ、オーストラリアはいわゆる新疆の人権問題を口実に北京冬季五輪に対して、「外交的にボイコット」を表明したが、フランスとイタリアは同調しない方針だと報じた。北京大会後の開催国であるフランスとイタリアは、外交・社会問題と五輪が結び付けられることを警戒しているほか、中国と米国のいずれの圧力も無視することは難しく、複雑な状況にあるとしている。
日本のメディアがこの時期に、再びこのような話題を取り上げる目的は、日本がフランス、イタリアと同じように北京冬季五輪へ閣僚を派遣する問題において、米国の顔色を伺わなければならない、苦衷も多かったことを示唆する意図があるのかもしれない。
米国の発表後、日本はようやく12月24日に「閣僚ら政府代表団を北京冬季五輪に派遣しない」と発表した上で、この問題で「米国や英国などが『外交ボイコット』に踏み切る中、日本としても足並みをそろえる必要がある」とした。この表明は中国人民の感情をひどく傷つけるものとなった。その理由は昨年の東京五輪開催のために中国から多くのサポートを提供したからだ。
一方、フランスの決定は日本と全く異なる。フランスのマクロン大統領は12月9日、フランスが北京冬季五輪に外交的ボイコットする陣営に参加しないと表明した上、五輪を「政治化すべきでない。このような行動はすべて無意味だけで、ショーに過ぎない」と主張した。実際に北京冬季五輪にはフランス政府の中でもスポーツ担当の閣僚級幹部が派遣される予定だ。
イタリア政府の関係筋は12月7日、「イタリアは、米国による北京冬季五輪への『外交的ボイコット』に参加するつもりはない」とその姿勢を明らかにした。
米国、英国、カナダ、オーストラリアの行動はスポーツの政治化であり、これは「オリンピック憲章」に盛り込まれた「スポーツの政治的中立」の原則に背くと同時に、「ともに」というオリンピックのモットーにも背くものだ。このような行動は人心を得られず、失敗に終わるに違いない。現地時間12月6日、国際オリンピック委員会(IOC)で最古参のパウンド委員は、「米国の外交的ボイコットは中国にほとんど影響を与えていない」との考えを示した。
米国、英国、カナダ、オーストラリアの誤ったやり方と対照的なのは、各国のオリンピック委員会が一致団結して、各国の選手が北京冬季五輪への出場に積極的に参加していることだ。IOCのバッハ会長は様々な場所で、「各国政府が自国の選手の北京冬季五輪参加を積極的に支持することを歓迎する」と何度も表明した。グテーレス国連事務総長やロシアのプーチン大統領、アルゼンチンの大統領などは、北京冬季五輪の開幕式に出席することを明らかにしている。今後、北京冬季五輪への出席に関する登録手続きを済ませた各国の要人、王室関係者、国際組織の代表がますます増えていくことだろう。また、韓国、南アフリカ、ベネズエラなど多くの国が北京冬季五輪を支持する声を明らかにしている。
それと同時に、世界各国の選手も北京冬季五輪に向けて積極的に準備中だ。ロシアは216人、米国は200人超、日本は約70人、オーストラリアは昨年の発表では41人が、北京冬季五輪に参加することを表明している。英国やカナダを含め、米国、オーストラリア、日本の選手は、政治目的で北京冬季五輪を利用した自国の政治家に異議を唱えている。
最後に喜ばしいニュースをご紹介しよう。米国東部現地時間の10日夜、アイスホッケーNHLのワシントン・キャピタルズとボストン・ブルーインズの試合の合間に、在アメリカ中国大使館の秦剛大使によるビデオメッセージが会場で流された。秦大使は北京冬季五輪の準備状況を紹介するとともに、アイスホッケー米国代表選手と中国代表選手が北京冬季五輪で好成績を収めることを期待していると祝福した。試合会場のキャピタル・ワン・アリーナは「中国紅(紅色)・旧正月(春節)」の要素で満たされ、可愛い虎のぬいぐるみが飛び出すなど、1万8000人の観客が歓声を上げた。
世界各国の選手は新型コロナ予防で最も厳格な北京で安心して競技に臨むと同時に、中国の春節特有の文化と雰囲気を体験することができる。2022年北京冬季五輪の出場が一生の中で忘れられないものとなることだろう。(CRI日本語部論説員)