北京
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中国の重要な港である寧波の舟山港
地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が1月1日に発効してから1週間余りが経過しました。現在、RCEPはASEAN6カ国(ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナム)と中国、日本、オーストラリア、ニュージーランドで実施されています。世界最大規模の自由貿易区であるRCEPの正式な始動に伴い、中国と日本は初めて二国間自由貿易関係を構築しました。この動きは中日貿易成長の新たなエンジンと見られています。
RCEP協定により、中国と日本間の貿易品目の86%に関税がなくなります。これにより、両国間の緊密な経済貿易関係がさらに深まることになります。岸田文雄首相は2021年10月の就任以来、経済成長と所得分配を重視する「新資本主義」政策を進めてきました。その核心は経済に重点を置くことであり、経済を重視するには当然、対中関係を重視する必要があります。
2021年9月に発表された『日本経済青書2021』によりますと、コロナ禍で、日本経済は全面的に萎縮したにもかかわらず、中日両国の貿易は2020年に成長を実現しました。現在、日本の対中輸出総額が日本の輸出総額に占める割合は23.95%となり、中国は再び日本最大の輸出市場となっています。
しかし米国の中国封じ込め戦略の影響を受け、日本は対中政策に揺れてきました。このところ、日本は中国の領土主権の一線に触れるリスクを冒して、台湾問題で米国に続いて危険な動きをしています。日本の自衛隊と米軍は先月、台湾で突発的な事態が発生することを想定した「新たな日米共同作戦計画」を策定しましたが、この計画は日本が台湾問題に介入するためのいわゆる「根拠」を提供するものと見られます。しかし同時に、中国軍との不測の衝突を懸念して、岸信夫防衛相は27日、中国の魏鳳和国務委員兼国防相とテレビ会談を行い、中国との緊張緩和を図りました。岸田政権は、米中両大国の間に脆弱ではあるものの、バランスのとれた関係を維持しようとしていることが伺えます。
しかし、これまでの歴史的経験を真摯に考えますと、米国を本当に信頼できるのかという疑問を抱かざるを得ません。12月初め、米国は西欧諸国をそそのかして北京冬季五輪を外交的にボイコットし、政府関係者を今回の冬季五輪に参加させないと公言しました。結局12月24日に米政府は突然、18人の当局者を北京冬季五輪に派遣し、中国政府にビザを申請したと発表しました。米国のこのような前言を翻す動きは世界各国を驚かせただけでなく、北京冬季五輪のボイコットで米国の後に付いてきていた米国の同盟国たちは欺かれたと感じたことでしょう。米国が同盟国に背を向けた例といえばいくらでもあります。1975年に米軍がベトナムから狼狽して撤退したときも、2021年にアフガニスタンから慌てて脱出したときも、米国は危機的な状況に陥ると、いつでも同盟国を捨てたとして世論の非難を浴びています。
一方、日本にとって忘れてはならないのは51年前、ニクソン米大統領派のキッシンジャー氏の極秘訪中が明らかになったことをめぐって、当時、米国の反中政策を追っていた佐藤栄作首相を困惑させたことがあります。なぜなら、このわずか数か月前、佐藤首相は訪米中にニクソン大統領から「今後の対中政策の展開については、引き続き貴国と緊密に連絡を取り、協議していく」と自らの口で確約されていたからです。さらに意外だったのは、ニクソン大統領がこの直後に自ら訪中し、『中米共同コミュニケ』に署名したことです。これを受けて佐藤首相は野党から一斉に質問され、最終的には反対の声が上がる中、首相辞任に追い込まれました。
歴史を振り返れば、米国は自国の利益を守るために手段を選ばず、それはたとえ米国の「同盟国」であっても免れることはできません。日本の政治家たちには、もっと冷静な目で日中関係を見るよう呼びかけます。日本の杉山晋輔元外務次官は「米国には200年余りの歴史しかないが、日中間はすでに2千年付き合っている。歴史を総括した上で未来に向かっていこう!」と呼びかけました。2022年、中日両国人民は中日関係の航路を安定した相互信頼の港湾に向かわせる知恵と能力を持つと信じています!