北京
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「5、4、3、2、1……」
カウントダウンが終わると同時に始まった、ルワンダ産のコーヒー豆とスリランカ産の紅茶のネット販売。あっという間に数トンが完売した。このライブコマースを実施したのは、ただのインフルエンサーではない。なんと、ルワンダとスリランカの大使だ。
ルワンダではコーヒー栽培が経済の柱であり、国民総生産の3分の1を占めている。だが、今年はコロナ禍のため、コーヒー豆などルワンダ産の農産物の売れ行きは伸び悩んだ。そこで、中国駐在のルワンダ大使はライブコマースを通じてコーヒー豆の販路を開拓した。中国市場の巨大な潜在力が再び世界を驚かせた。
いま、中国市場には輸入品が豊富にラインナップされている。世界各国の企業が中国で広大な市場を見つけた。これに一役買ったのは、中国の関税率の低さだ。2001年12月11日、中国は正式に世界貿易機関(WTO)に加盟した。中国は約束を厳格に履行し、わずか20年で「世界の市場」に成長した。商務部の報道官はこのほど、「2010年に中国の関税引き下げに関する約束はすべて履行され、すべての商品の輸入関税が2001年には平均15.3%だったのが、2010年には9.8%まで引き下げられた。さらに自主的な関税引き下げを経て、2021年に中国の輸入関税の水準は7.4%まで下がっている」と表明した。
業界の人間でなければ、この7.4%という関税率にピンとこないかもしれないが、これは発展途上国としては最も低く、先進国のレベルに近い。この関税率の低さによって、中国市場の扉は世界に開かれた。貿易促進のための中国の工夫は、関税の引き下げだけではない。さまざまな措置を実施し、パンデミックが続く中でも貨物貿易の円滑化を維持するための努力がなされた。中国は投資とサービスの分野における市場参入の制限を緩和し、2017年から4年連続で外資参入のネガティブリストを削減し、越境サービス貿易のネガティブリストの実施を全国的に推進している。商務部の高峰報道官はこのほど、「中国政府は貿易の自由化と利便化を引き続き推進し、ハイレベルな対外開放を揺るぎなく進め、貿易分野の質の高い発展を促し、中国の発展のチャンスを世界に共有し、互恵・ウィンウィン、共同発展を実現させ、人類運命共同体を共に構築する」と表明した。
「世界の市場」の強力な後ろ盾は、急速に発展する中国経済である。WTOの易小準前副総幹事長は「WTO加盟からの20年間、中国の経済発展は世界のほとんどの人の予想を上回った」と述べている。この20年で中国の経済総量は10倍近く増加し、世界経済に占める割合は4%から17%に上昇し、世界第2位の経済体となった。中国の貨物貿易総額は9倍に増え、世界第1位の輸出国および第2位の輸入国となった。
世界では今もコロナ禍の影響が続いている。一部の国は貿易保護主義による「高い壁」を築き、世界経済は低迷している。中国は貿易障壁を破り、開放のさらなる拡大を堅持している。14億の人口、4億人以上の中間所得層を持つ中国市場は、世界経済を牽引するエンジンとなり続けている。
中国の一般的な都市住民を例にすると、朝食には日本産のシリアルにドイツ産の牛乳を注ぎ、ペルー産のブルーベリーを添えて食べている。出勤に使うのはアメリカ製の電気自動車だ。活力に満ちた中国は、20年間で瞬く間にWTOに溶け込み、いちメンバーからリーダーにまで成長した。今後、国際貿易においてより大きな役割を果たしていくことだろう。(CRI論説員)