北京
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最近、米国が北京冬季五輪を「外交的ボイコット」しようとしているとの情報が国際世論を騒がせている。その発端は、米国のバイデン大統領が、北京冬季五輪を「外交的ボイコット」するのではないかと質問された際に、「我々は検討中だ」と答えたことだだった。多くの西側メディアはこれを受け、米・英・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアによる諜報活動についての協力体制である「ファイブアイズ」の他のメンバーも米国に追随して、北京冬季五輪の「外交的ボイコット」を検討中と、騒ぎ立てることになった。
さまざまな情報が飛び交っているが、互いに矛盾するものも多い。英紙「タイムズ」は、ジョンソン英首相は北京冬季五輪の「外交的ボイコット」を検討しており、その背後で事を進めているのはトラス外相の可能性があると報じた。しかしジョンソン首相付き報道官は、英国は政府代表として誰を冬季五輪に派遣するかまだ決めていないが、首相はスポーツ関連でのボイコットというやり方を支持していないと述べた。また、トラス外相と近い関係にある人物は、「タイムズ」の報道を否定したという。
米国の重要な同盟国でも、米国の体面を考慮しなかったり、米国に異議を唱えたり、あるいは距離を置いている場合がある。韓国政府は、北京冬季五輪を契機に北東アジアひいては世界の平和と繁栄に、自らの貢献をしたいと願っていると表明した。日本の首相は北京冬季五輪問題への対応について、「それぞれの国においてそれぞれの立場、考え方がある。日本は日本の立場で物事を考えたい」と述べた。
政府が中国敵視の態度を取る一部の国でも、民間の立場には大きな違いが出現している。オーストラリア五輪委員会のコーツ会長は、いかなる国家であれ北京冬季五輪をボイコットしても意味はなく、オーストラリアの選手はそのような声を無視して競技に専念し、最高のパフォーマンスで自分自身のスポーツの夢を実現するだろうと述べた。リトアニアは「一つの中国」の原則に背いたため最近になり、中国との外交関係が「代理大使級」に格下げされた。しかし同国五輪委員会は「五輪大会は全世界すべてのオリンピック・ムーブメントの祭典だ。選手の競技人生は短い。政治上の理由で選手らを五輪大会に出場させないのは不公平だ」として、自国内の政治圧力を拒絶した。
これらの態度から、はっきりと見えてくることがある。それは米国の盟友あるいは断固たる追随者の中でも、天下の誰もが不正と見なすことをあえてやり、五輪精神に背き、自らの利益を考慮することをせず、よろこんで米国のための旗振り役になるような国は、ほとんど存在しないということだ。政府がやろうとしても、民衆はついてこない。しかも、米国自身が北京冬季五輪の「外交的ボイコット」についての意気地を示せない状態で、「検討中」と含みを持たせているだけとなれば、なおさらのことだ。米国の片棒を担ぎ、本家よりも早く飛び、ご主人様より大声で叫んだりしたら、高く飛び上がれば上がるほど、深い穴に落ちていくことになる。
前記とは対照的に、国際世論をしっかりと代表する状況がある。ロシアのプーチン大統領が、中国からの招待を喜んで受けるとして、北京冬季五輪大会の開会式に出席することを決めたことだ。国際五輪委員会(IOC)のバッハ会長は、人権を口実に北京冬季五輪をボイコットする論調について「敬意が欠落した露骨な態度であり、政治について中立という五輪の原則を破壊するものだ。このような言行で得られるものは何もないことが証明されるだろう」と厳しく批判した。中国の友は世界中に存在する。北京冬季五輪をボイコットしようとする一部勢力は人心を得ることができない。正道を失えば助けてくれる者も減る。目論見が失敗に終わることは確実だ。
北京五輪の開幕まで100日を切ったというこの重要な時期に、一部の国が世論に投げかけた、いわゆる「外交的ボイコット」という北京冬季五輪についての話題には、このある者が提唱し、ある者があおり立てて唱和する話題には、どの様な下心があるのだろうか。その意図は明確だ。まず、北京冬季五輪が順調に開催され、中国の声望が高まることを目にしたくないのだ。自らの影響力が低下していることが浮き彫りになり、「こちらが低落すればあちらが伸びる」という状況に、心がうずいて我慢できないのだ。さらには冬季五輪大会を、中国を攻撃するための政治的道具の一つにしようという考えがある。五輪という団結を象徴する大舞台を使って自らが抱く対立と分裂という邪心を覆い、大いに隠して大いにたぶらかすことで、できる限り多くの国を自らの応援団に引きずり込もうとしているのだ。
北京冬季五輪大会は、そのような雑音の影響を受けるのだろうか。もちろん、そんなことはない。なぜなら、スポーツ選手こそが競技の主役だからだ。中国はすでに、北京冬季五輪大会を立派に行うことは中国共産党と国家の一大事業だと、国際社会に対して厳粛に約束している。冬季五輪を成功させる中国の自信と決意が揺らぐことはない。我々は共に、今回の冬季五輪のすばらしさと栄光に期待しようではないか。(CRI日本語部論説員)