北京
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四川省達州市紀律検査委員会の元書記である周永開さんは、同じ四川省の巴中出身です。1945年8月に中国共産党に加入しました。新中国成立前、彼は命の危険を顧みずに四川省北部地区での革命活動を展開し、新中国成立後には現地の人々に奉仕するため、力を捧げました。
周さんは地元の経済発展や貧困脱却、民生改善、生態環境の整備などに努め、定年退職後も住民を率いて植樹造林を行い、国家クラスの自然保護区にまで整備しました。
四川省東北部の達州市には「花萼山」と呼ばれる山があります。この山は長江の二つの大きな支流である漢江と嘉陵江の源であり分水嶺です。この山にはさまざまな生物が豊富に生息していて、希少種や、絶滅の危機に瀕している動植物もいます。地元住民の生活にも直接的につながるこの山の生態環境が保たれている背景には、「七一勲章」の受勲者である周永開さんの長年の努力がありました。
90年代のことです、ある年の3月に花萼山で史上最も大規模な森林火災が発生しました。およそ133ヘクタールの緑が消失し、山の生態環境が著しく破壊されました。当時、周さんはすでに定年退職していましたが、森林火災の翌年に自身のお金で苗木を購入し、山奥のわらぶき屋根の家を借りて、二人の定年退職者と共に花萼山での植樹造林活動を始めました。さらに、それから20年間、周さんはこの山にある11の郷や鎮、30余りの村を回っては、村民たちに自然保護区条例などを説明する取り組みもしました。さらには、自身が受け取った年金を使って地元の村民を雇用し、森林保護活動に従事させたのです。民間の森林保護組織の正式な立ち上げでした。
周さんが20年間で保護した森林はおよそ2666ヘクタールに達します。その結果、2007年に花萼山は国家級自然保護区に指定されました。そして、2014年には花萼山自然保護区で国家一級保護野生動物であるイヌワシが発見されています。
同じ達州市には、4つの省にまたがる山脈、大巴山もあります。退役軍人の蒋恩馳さんは1987年にこの山で野生のロウバイの木を見つけました。ロウバイは、まるでロウ細工のような黄色い花を咲かせる中国の固有種です。蒋さんはこのロウバイを盆栽にし、栽培することに成功しました。これを受けて、周永開さんはその栽培技術を若者たちが学ぶ場として、ロウバイ研究センターを設立しました。
その後、達州市のロウバイは全国的な花卉博覧会にも出展されるようになり、コンテストで優勝するようにもなりました。達州市には現在、ロウバイ園が7ヵ所あり、2015年にはロウバイが達州市の「市の花」にもなっています。
革命に身を捧げ、新中国を迎えてからは生態環境保護に貢献してきた周永開さんは今年94歳になりました。今もハツラツとした様子で、若者に党や革命の歴史を語り続けています。