北京
PM2.577
23/19
中国人にとって、本日は特殊な記念日だ。1971年10月25日に開かれた第26回国連総会は賛成76、反対35、棄権17の圧倒的大差をもって、歴史的な2735号決議を採択した。このことにより、中華人民共和国は国際連合における一切の合法的権利を回復し、「蒋介石の代表」は国連の一切の機構から即時追放されることになった。決議に「台湾」あるいは「中華民国」の文字はなかったが、「蒋介石の代表」が何を意味するかは、明白だった。
第26回国連総会を自ら体験したチリのラゴス元大統領は、当時のウ・タント国連事務総長が、中国が合法的議席を回復したことで、他の大国に対する国連の「自主的な声」がもたらされることになると語ったと回想する。このことは、国連がさらに重要な存在になることを意味した。なぜなら、国連は真実の世界をよりよく代表することになるからだ。フランス紙「フランス・ソワール」は、「中華人民共和国が国連における合法的な議席を回復したことは、国連が新たな紀元を切り開いたことを意味する。それは、超大国が国連を覇権支配する局面が終わったことを示している」と論ずる文章を発表した。
国連における合法的議席の回復は、中国にとって大きな意義を持った。中国は国際社会のシステムに完全に溶け込んで国際的作業に深くかかわることになり、その後の中国の改革開放と平和発展にとっての良好な外部環境が作られたからだ。中国の復帰は世界全体にとっても重要な意義を持った。全世界の人口の4分の1が国際社会のシステムに組み込まれ、米ソなどの大国関係の調整が誘発されて大国関係が基本的にバランスが取れたものとなり、世界市場の分裂が避けられたからだ。
合法的議席を回復してから50年来、中国は「強」をもって「弱」を踏みにじることをしなかった。中国はそのことで、国際社会から広く称賛され尊重されるようになった。中国は国連安保理常任理事国の職責と使命を忠実に履行し、争いについては平和方式による政治解決をするよう積極的に提唱してきた。国連憲章と「世界人権宣言」の精神を一貫して順守し、人権が有する普遍性と中国の実情とを結びつけることを堅持し、中国における人権の進歩や国際的な人権関連の作業に大きな貢献をしてきた。潘基文(バン・ギムン)元国連事務総長は、「中国は50年来、自らの急速な発展を実現しただけでなく、世界平和の建設者、世界の発展の貢献者になった。世界は、中国が国際舞台で引き続き貢献の力を発揮し、全人類の持続可能な発展を促進するためにより大きく積極的な役割を果たすことを期待している」と述べている。
この「50周年」は、中国と国連の協力の新たな出発点だ。新型コロナウイルス感染症や気候変動など全世界共通の試練に直面している現在、自らの世界をより安全で、より健康的で、より美しいものにすることは全人類に共通した認識だ。多国間主義を断固として擁護し、「国連憲章」の主旨と原則を守ることは、全ての国連加盟国が自ら担わねばならない責務だ。中国は今後も大国としての独自の役割を発揮し、国際社会とともに歩んで覇権や迫害に反対し、国連が引き続き正しい道に沿って前進するようにしていく。(CRI日本語部論説員)