北京
PM2.577
23/19
第2回国連グローバル持続可能な交通大会が14日に北京で開催された。習近平国家主席は同日の開会式にリモートで出席して基調講演を行い、中国が持続可能な交通の発展を促進し、人類の環境保護に新たな貢献をするという決意を表明した。
中国は「経済的な立ち後れと文化的な空白」という滑り出しから、数世代にわたる絶え間ない努力によって、交通大国としての地位を確立してきた。 新しい時代に入り、中国の交通はハイクオリティな発展を遂げ、インフラ建設の急成長とより便利な移動手段を実現し、「交通大国」から「交通強国」への変身を果たしている。2020年末までに、中国の高速鉄道の営業距離は3万8000キロメートルを超え、世界の3分の2を占める。また、高速道路の総延長は16万1000キロメートル、1万トン以上の港湾施設は2592バースに上り、いずれも世界第1位となっている。
これにより包括的な交通ネットワークがほぼ形成され、中国の経済と社会の持続的で迅速かつ健全な発展を力強く支えてきた。都市人口が増加し、eコマースが世界的な貿易の成長を促進する中で、交通システムは世界の発展においてかつてない重要な役割を果たしている。しかし、その一方で、急速に発展する交通は、環境や社会、人々の健康にもマイナスの影響を及ぼしている。世界の温室効果ガス排出量の約4分の1は交通によるもので、今後も大幅に増加し、気候変動にさらに拍車をかけることが予想されている。さらに、交通事故による死傷者数も増加しており、交通の安全問題も深刻だ。人々の物質的・文化的ニーズの高まりに伴い、環境に優しく、安全な移動手段を実現するために、政府が持続可能な交通の促進に積極的に取り組むことが期待されている。
習主席は、講演の中で「グリーンで低炭素な交通の形成を加速し、グリーンインフラの建設を強化し、新エネルギー、インテリジェント、デジタル化、軽量化を中心とした交通手段を推進し、グリーンな移動を推奨することで、より環境に優しく、低炭素の交通を目指す」と提言した。持続可能な交通とは、まさにグリーンで低炭素の交通のことで、徒歩、自転車、グリーンとシェアリングの理念を取り込んだ交通手段や、省エネルギー、省スペース、健康的なライフスタイルの促進などによる都市交通システムの構築と保護を指す。中国は持続可能な交通を実践するために継続的な努力を行っており、これにより交通のエコ文明システムが改善され、効果的なエネルギー節約とCO2削減、環境友好型社会の構築が徐々に達成されている。中国は2012年に「公共交通都市」建設のための実証プロジェクトを開始した。3回に分けて国内の87都市を「公共交通都市」の対象として建設を進めてきたが、2019年末までに14都市が公共交通都市建設における全国モデル都市となった。「公共交通都市」に代表される都市交通サービスは、都市交通の健全で持続的な発展を促している。
グローバル化が進む中、交通機関の相互連結は、すべての国に新たな課題をもたらしている。百年に一度の大変局に新型コロナウイルスによるパンデミックが重なり、世界の経済発展と人々の生活向上も深刻な影響を受けている。中でも、持続可能な交通の推進において、各国がより緊密に協力しなければならない。
習主席は、中国が世界の交通発展に貢献するため、「中国国際持続可能な交通イノベーション・ナレッジセンター」を設立することを発表した。このセンターが完成すれば、開放性と連結性、公平性と包括性、技術革新のためのプラットフォームとして機能することになり、持続可能な交通のグローバルな実現のための具体策を提供し、新たな経済的機会をもたらすと同時に、環境保護、人々の健康と福祉の向上にも貢献し、世界が「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と「パリ協定」の目標を一刻も早く達成できるようになると期待されている。(CRI日本語部論説員)