【観察眼】人権問題　少数の意見よりも90か国の声に耳を傾けよう

　最近、カナダ、米国、英国などの国が再び中国に泥を塗る芝居を演じ始めた。22日、カナダは一部の西側国家を代表して第47回国連人権理事会で、新疆や香港、チベット関連問題で中国を中傷し、虚偽の情報とデマを流布した。人権分野で数多くの悪行を残しながら熱心に「人権の先生」役を演じているこれらの国は、「人権」を口実にして故意に中国に泥を塗り、中国の内政に干渉している。その一方、自国が抱える深刻な人権問題には目をつぶっている。彼らの盗人猛々しい仕草を見て笑止千万である。そうした少数の国の意見よりも世界の大多数の国の声に耳を傾けるべきと指摘したい。

　今回の対中批判で最前線に立つカナダでは、今年2月に保守党が提出した、新疆に「ジェノサイド」が存在する動議が下院で可決された。しかし実際には、2010年から2018年まで、新疆のウイグル族の人口は1017万1500人から1271万8400人へと25％も増加した。この増加率は新疆全人口の増加率（約14％）を上回っただけでなく、漢族の人口の増加率（2％）よりも明らかに高い。こうした歴とした事実を前に、それでも「ジェノサイド」と言うのだろうか。

　一方、カナダにこそ、先住民の土地の略奪や先住民の殺害、先住民文化の排除をしてきた歴史がある。1830年代から1990年代にかけ、カナダ政府は寄宿学校を設置することで、先住民の文化消滅政策を実施してきた。大まかな統計によると、15万人を超える先住民の子どもが強制的に学校に送り込まれ、そのうち虐待を受けて死亡した人の数は5万人を超えている。カナダの寄宿学校の跡地では最近、先住民の子どもたちの遺骨215体も発見され、世界を驚かせた。

　また、米国の人権問題というと、数えきれない事件を挙げられる。アフリカ系米国人男性のジョージ・フロイドさんの死亡事件から1年と1カ月が経ったが、この1年余りで、米国の有色人種が生活する環境に変化はあったのだろうか。「フロイドたち」は自由に呼吸できるようになったのだろうか。答えはいうまでもなく「ノー」だ。

　米国の警察による暴力を調査する民間グループ「マッピング・ポリス・バイオレンス」がサイト上で発表されたデータによると、2020年、米国の警察の発砲で1127人が死亡した。この1年間で警察が誰も射殺しなかった日は18日間だけだったという。米国総人口の13％にすぎないアフリカ系が、警察に撃たれて死亡した人の28％を占めている。有色人種は米国の18歳以下の人の約3分の1であるが、投獄されている未成年者全体の3分の2も占めている。今年はまだ半分も過ぎていないのに、米国ではすでに294件の大規模な銃乱射事件が発生している。先週末だけでも10件が起き、8人が死亡、数十人が負傷した。国連人権理事会でアフリカ系住民に関する問題を担当する専門家グループが昨年8月に提出した報告書によると、米国における新型コロナウイルスの感染率と死亡率には明らかな人種格差が見られ、アフリカ系の感染率は白人の3倍、死亡率は2倍となっている。

　世間には公平と正義を判断するものさしがある。今回の国連人権理事会で、ベラルーシは65カ国を代表しての共同発言で、人権問題の政治化と二重基準、政治的動機と虚偽の情報に基づく対中非難、人権を口実にした中国への内政干渉に反対すると強調した。また、湾岸協力会議（GCC）加盟 6カ国が中国側の立場を支持する書簡を送り、20数カ国は単独発言などを通じて中国側を支持する意向を示している。合わせれば90余りの国が人権理事会で発した正義の声は、国際社会の人心の向かうところを反映し、人権問題を通じて他国の内政に干渉する少数の西側国家の偽りの仮面を剥がすものとなった。

　中国の唐代の2代目皇帝である唐太宗こと李世民はこんな言葉を残している。「銅を鏡にすれば衣冠を正すことができ、史を鏡にすれば盛衰を知ることができ、人を鏡にすれば損得を知ることができる」。一部の西側政治家は、先哲たちの「人を鏡とする」「史を鏡とする」ような境地に到達できなくても、少なくとも「銅を鏡とする」を心掛けても良いのではと思う。普段から鏡を見て、何かを論じる前に、まずは自身の装いを正しておくことをお勧めする。（CRI日本語部論説員）