【観察眼】原発污染水は本当に「飲んでも大丈夫か?」

2021-04-16 22:11  CRI

 4月15日、呉江浩外交部部長補佐は日本の垂秀夫駐中大使を呼び、日本政府が海洋放出方式で福島原発の事故廃水を処理すると決めたことについて厳正な交渉を行なった。これに先立ち韓国側は12日、日本の駐韓大使を呼んで厳正に抗議し、文在寅大統領は14日、日本の相星孝一駐韓大使から国書を受け取った際、「非常に心配している」と懸念を示した。中国や韓国の東アジアの近隣だけではなく、ロシア、EU、日本国内を含めて、このことに対する関心は高く、反対の声が絶えない。

 日本の一部の政府関係者が「この水は飲んでも問題ない」としているが、これは事実なのだろうか?日本メディアの報道によると、日本側は2年後から30年間にわたって、原発事故による廃水百万トン超を海洋に放出する予定だ。排出量は膨大で、持続時間は長く、影響を及ぼす地域が広く、リスクが高いことから、いずれも前代未聞のことと言える。グリーンピース日本事務所の原子力専門家、ショーン・バーニー氏は中国国営の通信社・中国新聞社の取材を受けた際に、「日本の東京電力の廃水処理技術は、放射性トリチウムや炭素14を取り除くことができず、他の放射性同位体を完全に除去することもできない。これらの物質は海洋の食物連鎖の中で長期にわたり蓄積し、しかも食物連鎖を通じて人類の健康に潜在的なリスクをもたらす可能性がある」と述べた。

 これに対して、国際原子力機関の専門家グループの評価報告書は、福島原子力発電所が現在処理しているトリチウムを含む廃水には他の放射性核種が含まれていることを明らかにした。東京電力によると、核廃水には62種類の放射性核種が含まれているとしている。さらに2018年8月、環境保護論者が東京電力発表のデータを分析した結果、処理後の核廃水はトリチウムだけではないことが分かった。2017年に廃水の中には基準値を超えるヨウ素129が60回発見され、核廃水の中にストロンチウム90が基準を大幅に超えている問題も明らかになった。

 報道によると、カナダ西海岸ではサーモンから放射性物質が検出され、米ハワイ沖では放射性物質のレベルがこれまでの2倍に達した。日本の福島から核汚染が北米に広がっている可能性があるという。

 一般人にとって、専門用語は難解ではあるが、明白になったのは、海洋排出方式で原子力発電所の事故廃水を処理することは、放出量が膨大で、廃水処理技術が難しく、継続する時期が長く、これまでになかった高いリスクを伴っているということである。このことは中国政府と民間で瞬く間に広く注目され、懸念されている。

 中国の学者は、原発の廃水が日本の福島から海に入ると、少なくとも3つのルートで中国海に影響を及ぼすと分析している。一つは平流の拡散ルートで、日本の海岸に沿って西南方向へ中国海に進出する。2つ目は再循環の還流を通じたもの、3つ目は太平洋の水面の還流システムを通じたものである。いずれのルートにせよ、もたらされる核汚染物質の濃度や影響する時間の長さが異なったとしても、中国沿海に短期から長期にわたって複雑で深い影響を及ぼすのは間違いない。日本の原子力発電所による事故廃水放出はネット上で急速に大きな関心を呼ぶ話題になり、中国の検索エンジン「百度」の検索ランキングで上位に入った。ネットユーザーからは、廃水放出に反対する声が相次いでいる。

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 外交部の趙立堅報道官は14日、記者の質問に対して、日本側に3つの質問を提示した。第一に、日本側は本当に国内外の疑問と心配の声を聞いているのか?第二に、日本側の動きは本当に国際法に合致しているのか?第三に、日本側が放出する廃水は本当に国際基準に合致しているのか?この3つの問題はすべての人の心配を表しているものと言えるだろう。

 趙報道官によると、中国、韓国、ロシア、EUのほかに、311の環境保護団体が日本側に断固反対する姿勢を示している。日本側の決定は、深刻な核事故による廃水を処理した後、海洋に放出するという先例を開くことになる。「国連海洋法条約」の締約国である日本は条約に基づき、あらゆる必要な措置を講じて、その管轄または支配範囲内で事故によってできた汚染物質を、主権行使区域以外に広めないようにすべきである。海流、回遊魚などを要因として、日本が海に放出する廃水によって他国へ影響を及ぼすのは避けられない。「国連海洋法条約」などに基づき、日本は通知のほか、環境アセスメントモニタリングを行い、関係国と十分に協議して、危険を最小化させるために予防措置を実施し、情報の透明性を保障するなどの国際義務を負う。日本側はこうした義務を履行しているだろうか。

 趙報道官は日本に対し、自身の責任をはっきりと見定め、科学的な態度を持ち、国際義務を履行して、国際社会や周辺の国家と本国の国民の重大な関心に対して真剣に対応すべきだと督促した。そのうえで、福島原子力発電所の廃水処理問題を見直し、利益が密接にかかわる国々や国際原子力機関と十分に協議し、合意に達するまでは勝手に放出してはならないと強調している。同じ地球に住み、同じ海に臨み、各国の利害関係は緊密になりつつある。廃水の放出問題は今後どうなるかが引き続き、注目されていくこととなるだろう。(CRI日本語部論説員)

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