北京
PM2.577
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科学者は研究に従事するに当たり、「科学の精神」を備えていなければならない。それはつまり、事実を尊重する精神だ。これを裏切ることは社会に大きな損害と影響を与え、ひいては悲劇をももたらす。
このほど26 名の科学者が連名で、世界保健機関(WHO)が中国に派遣した国際専門家チームを攻撃する内容の公開書簡を出した。中国で感染源についての学術研究を行った国際専門家チームのことを「全面的で無制限の調査を独自に展開することができなかった」と中傷している。同書簡はまた、WHOに対して「この専門家チームとは一線を引き、改めて中国への全面調査を展開するべきだ」と求めた。この理不尽な主張は「有罪推論」や人種差別的な思想に満ちており、科学の真価に背く行為として世間を驚かせた。
WHOの緊急対応責任者であるマイク・ライアン氏は今年1月15日に行われた新型肺炎に関する定例会見で、国際専門家チームの結成について「2020年5月の第73回世界保健総会において、感染源についての学術研究を目的とする国際専門家チームの設立が採択された」と改めて確認したうえで、「チームのメンバーには、複数の国から各分野で最も優秀な専門家が集められた。臨床管理、ウイルス、ワクチン、薬品開発、生態調査、動物衛生、疫学、公衆衛生など多くの分野をカバーしている」と示した。この発言からも、今回の国際専門家チームのメンバーが完全にWHOによって判断、選出、決定されたことは明らかだ。この事実は同チームが科学に基づき、独立し、広範な分野を代表していることを十分に表している。
米非営利研究機関エコヘルス・アライアンスのピーター・ダスザック代表は今年2月3日に武漢ウイルス研究所を訪れた。ダスザック氏は同研究所の生物実験室(BSL-4)について「私はこの実験室についてよく知っている。ここから多くの優れた研究成果が生まれてきた」と語り、さらに「中国のウイルス学者・石正麗氏とも面会したが、彼女はこの実験室と新型コロナウイルスが無関係で、新型コロナウイルスのゲノム配列は実験室内のものと一致していないことを表明している」とSNS上で明らかにしている。
これらの事実のどこに、26名の科学者が公開文書内で主張する「調査妨害」の要素があるのだろうか。ダスザック氏は「この実験室の研究はウイルスの真相に非常に近づいているため、一部の人間の非難を受けているのだろう」とも語った。良い科学者は問題を探り、研究し、解し、そして真実を世間に伝える役割を果たしている。しかし残念ながら「科学の精神」に背き、道を踏み外し、他人を中傷する科学者がいるのも事実だ。科学は政治利用される為にあるわけではない。
西側勢力は自分たちの操る科学者を通じてWHOと中国を中傷している。これはただ、自らが抱える混乱や矛盾をごまかすための手段に過ぎない。そして、極めて悪質な手段を用いて、崇高な科学を傷つけているのだ。科学者は科学をもって人々を疫病から救い、ワクチンを開発すべきである。
人類は科学を創造した。科学は人類に奉仕し、人類に影響を与えている。科学的結論の恣意的な曲解は、それ自体が最も非科学的な行為となる。科学に基づく事実を無視し、ウイルスの起源の問題を政治利用する行為は、新型コロナ対策に関する国際協力に不利益を生じさせている。人類が創造した英知たる科学が、政治の道具に貶められ、利用されるようなことがあってはならない。(CRI日本語部論説員)