【観察眼】協力と共同対応こそコロナに打ち勝てる

2021-03-15 22:36  CRI

 3月12日、『国際情勢と中国外交青書(2020/2021)』公表の記者会見が北京で行われた。

 2006年の刊行開始から16年連続して公表されている同青書は、今年は主として大国の国情、地域情勢、中国の外交政策などからなる。2020年、世界に深刻な影響を与えた事件として、「コロナ禍(中国語原文では「疫情」)」という言葉は全書に約1000回も登場していた。編集長を務める中国国際問題研究院の徐歩院長は記者会見の席上、新型コロナが国際政治、世界経済、グローバルガバナンスに深刻な影響をもたらしていると指摘した。全国政治協商会議常務委員で元北京大学国際関係学院院長の賈慶国氏は、「大規模な感染症は人類の安全に対する脅威が高まりつつあり、世界のパワーバランスへの影響も深刻を続けていく」との見方を示している。

 世界に未曽有の脅威と衝撃をもたらした新型コロナも含め、人類を脅かす大規模感染症への対応の強化は差し迫った任務と言える。この切迫した課題の解決に向け、少なくとも以下の3点が重要だと指摘したい。

 第一に、非伝統的な安全保障上の脅威がもたらす危害への重視の度合いを高めること。

 世界保健機関(WHO)が発表した最新データによると、北京時間13日午後9時10分までに、世界の新型コロナウイルスの感染者数は累計で1億1800万人、犠牲者は263万人を超えている。死者数は、大規模な戦争に匹敵する。新型コロナは空母を機能不能にさせただけでなく、数万人規模の軍隊を隔離せざるを得ない状態にした。それにもかかわらず、依然として多くの人がこのウイルスの大きな危険性に目を向けようとしない。

 現地時間3月6日夜、米コロラド大学付近で約800人の若者が街頭で、ソーシャルディスタンスを守らず、ほとんどの人がマスクをしないままパーティーを開いた。同日、米アイダホ州では、100人以上が州議会議事堂の外に集まり、「マスクを燃やせ」「アイダホ州に自由を」などのスローガンを掲げてマスクを燃やした。本当は、彼らの自由を妨げているのはマスクではなく、ウイルスに対する無知と傲慢であった。

 第二に、国際協力を強化し、イデオロギー上の偏見を排除すること。

 大規模感染症は人類共通の敵である。感染症に直面して、国際社会に最も必要なのは手を携えて国際協力を強化し、共通認識を結集し、団結して対応することである。

 国際協力を強化する面では、地域の公衆衛生上の緊急連絡メカニズムの構築を検討し、突発的な公衆衛生事件への対応速度を高めることが必要だ。また、国際組織の役割発揮を積極的に支持するほか、検査・測定、治療、ワクチン開発などの面で協力を強化し、情報を共有することも必要である。

 ウイルスの発生源については、一部の政治家がみだりに結論を出すのに任せるのではなく、科学と事実を尊重し、科学的な態度で研究、分析をしなければならない。感染症を他国の政治制度を批判する道具にしてはならず、他人に責任を転嫁し、世論操作をして汚名を着せてはならない。イデオロギー上の偏見を捨て、共通認識を結集してこそ、世界のコロナ対策にポジティブなエネルギーを注ぐことができる。

 三つ目に、大国が率先して発展途上国の支援に乗り出すことである。

 現在、世界における医療、薬品とワクチンなどの資源配分に深刻な不均衡の問題がみられる。一部の先進国がワクチンを買い占めているのに対し、アフリカ諸国を含む多くの発展途上国は大きな不足に直面している。

 WHOのアフリカ地域の責任者によると、現在、アフリカの22カ国がWHO主導の「COVAXファシリティ」を通じて受け取っている新型コロナワクチンは約1460万回分しかない。この数字はアフリカの膨大な人口に比べれば、焼け石に水としか言いようがない。

 一方、米疾病予防管理センター(CDC)が12日に公開したデータによると、米国ではすでに1億回分以上の新型コロナワクチンが接種されている。世界人口の4%程度しかない米国は、世界のワクチン接種量の30%も占めている。AP通信は、米国内のワクチン備蓄は今年下半期に過剰になる可能性が高いと伝えている。また、国際NGO「オックスファム」によると、カナダでは人口の5倍のワクチンが購入されている。しかし、世界の低所得国30カ国と中低所得国37カ国の人口の90%が今年の年末までにワクチン接種を受けられそうにないという。

 WHOのテドロス事務局長が言うように、「全員が安全になるまで、誰も安全ではない」。ワクチン接種率の低い地域では感染が続き、ウイルス変異のリスクも拡大を続けている。それが逆に既存のワクチンの効力を低減させる可能性がある。そのため、先進国はWHOと国連の関連機関の医療資源に関する統一的な分配に積極的に応え、支持すべきである。ワクチン分配の公平性、発展途上国での入手のしやすさとコスト負担を確保しなければならない。そうやって初めて全世界の「集団免疫」が実現することになる。

 新型コロナの流行は短期間で終息が見込めず、人類の命の安全に対する脅威は依然として存在し続けている。世界各国がウイルスと向き合い、協力を強め、共通認識を結集して偏見を排除してこそ、この厳しい試練に初めて打ち勝てる。(CRI日本語部論説員)

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