北京
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23/19
第13期全国人民代表大会第4回会議が今朝開幕し、席上、李克強総理が政府活動報告を行った。中国国民の政治活動における一大イベントとして、日本のメディアは全人代の開会を大きく取り上げ、政府活動報告の内容についても様々な解釈をしている。中国の経済発展目標に注目する一方で、どのメディアも香港問題に言及している。中でも、「香港の選挙制度改正を検討しているのは、『民主派』を排除する狙いがあるためだ」という懸念や憂慮の声が多く見られる。
中国の内政問題である香港問題は、なぜ日本のメディアでこれほどまでに取り上げられているのか。香港は日本とビジネス往来や文化交流が盛んで、日本は従来から香港の発展に関心を持っている。特に欧米がいわゆる民主主義や人権を口実に中国の内政に干渉してくると、日本が香港問題から世論上の圧力をかけてくるのはしばしばだ。
2019年に「逃亡犯条例」の改正をめぐるデモが発端となり、香港では一連の騒乱が相次ぎ、昨年の香港経済はコロナ禍もあり大きな打撃を受けた。 「社会の不安定」は香港の発展を阻む最大の制約要素となっている。この「不安定」は、まさに日本のメディアで取り上げられたいわゆる「民主派」の悪行によってもたらされた結果である。昨年は香港の祖国復帰23周年にあたり、香港の混乱を食い止めるため、6月30日、全国人民代表大会常務委員会の会議で、「香港国家安全維持法案」が全会一致で可決された。当時、日本のメディアでは「『一国二制度』が危機的状況に陥るのでは」と法案をめぐって騒がれていた。しかし、実際のところ、香港は経済的にも社会的にも着実に回復していることがわかった。今年、国務院香港マカオ事務弁公室の夏宝龍主任は、「愛国者による香港管理」という原則の全面実施を提案した。この話題は必ず今年の全人代で熱く議論されることだろう。「愛国者による香港管理」というのは、「一国二制度」が香港に根付くための最も重要な原則であり、「一国二制度」は香港社会が長期的な安定と繁栄を図るための重要な保障である。
李克強総理は今年の政府活動報告で、今後も「一国二制度」「香港人による香港管理」「マカオ人によるマカオ管理」「高度な自治」の原則を全面的かつ正確に実行するとともに、特別行政区における憲法や基本法の施行に関連する制度やメカニズムを最適化させ、特別行政区における国家安全を守るための法律制度や実行メカニズムを定着化させるべきであると強調した。簡潔な記述ながらも、「最適化」と「定着化」という言葉は、中央政府の香港に対する関心と香港の法制度改革への決意を十分に示している。それと同時に、「愛国者による香港管理」に制度上の保障を与え、「一国二制度」の発展により大きな可能性をもたらしている。香港の長期的な繁栄と安定を実現する上でも重要な役割を果たすことになる。
また、政府活動報告書では、「香港・マカオの問題に対する外部勢力による干渉を断固として防止・抑制し、香港・マカオの経済発展と人々の生活向上を支援して、香港・マカオの長期的な繁栄と安定を維持する」とも指摘している。香港は発展を遂げ続ける中国本土を後ろ盾に経済成長を推進し、国際と国内といった「双循環」における重要なハブとなっている。中央政府は、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)、「一帯一路」、国家自由貿易試験区の建設への香港の参加を強く支持するとともに、香港が国際金融センターとしての地位を向上させることや、香港企業が本土市場を開拓することを支援している。中でも、広東・香港・マカオグレーターベイエリアなどの戦略は、香港の発展に新たな機会と課題をもたらすと同時に、香港は金融、外資誘致、人材誘致などの面で独自の優位性と特徴があり、ベイエリアの建設にも貢献することができる。このような制度的な保障と経済発展の優位性を持つ香港は将来性に満ち溢れている。香港の未来は心配ご無用と言えるだろう。(CRI日本語部論説員)