北京
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34歳の牧畜民ニンチタイさんは大変喜んでいます。自分が世話をしている雌のヤクがまた赤ちゃんを出産したからです。ニンチタイさんがいるのはヤクの養殖モデル基地で、青海省海南チベット族自治州興海県温泉郷サイシタン村にあります。
町からおよそ70キロ離れているサイシタン村は、平均標高が4000メートルあり、569世帯2186人が暮らしています。苛酷な自然環境に囲まれ、土地は農作物の栽培に適していないため、草を食べるヤクやチベット羊を飼うことが現地住民の主な収入源でした。
ニンチタイさんによりますと、以前はヤクとチベット羊数頭を遊牧して、そのミルクや羊毛を販売していました。合作社に入る前に、一家4人の年収は1万元を満たしていませんでした。その時、十数ヘクタールの草場を持っていましたが、人手不足で、草地をきちんと維持したり管理することもできませんでした。
2018年、貧困扶助政策が導入されることになり、ニンチタイさん一家は、辺鄙な山の上から新たに建設された集合住宅に移住しました。住環境の改善はもちろん、最大の収穫はそこでヤクの進んだ養殖法を学んだことでした。
移住したニンチタイさんは、自分の草地を合作社に預け、村で全体管理を任せることにしました。また、豊富な養殖経験を持つ彼はヤクの養殖モデル基地に雇われました。後に奥さんと子供たちも相次いで雇用されたため、一家の生活水準は大幅に向上しました。年収も以前より数倍の7万元近くになりました。
現在、モデル基地には、600頭余りのヤクが飼育されています。朝7時にヤクたちは外に放たれ、昼まで散歩し、その後は養殖場で休みます。このように、ヤクは大自然に親しむこともできる一方、過度の放牧による草場への破壊も避けられます。このようなバランスの取れた養殖法が現地で推し進められています。
合作社が設立されたのは2015年でした。貧困家庭を支援するため、合作社に加入した人々はヤクや羊の養殖に携わりながら、毎年合作社からの配当金ももらえます。この政策が出稼ぎの人々を引き付け、故郷に戻ってくる人が増えました。現在、モデル基地には、貧困扶助対象者が40人います。モデル基地で働くことにより、彼らの生活は大きく改善されました。
ここ数年、興海県は「会社・合作社・農家」が連携するという産業発展モデルをサポートし、農業産業化の大手企業や専業合作社の成長を導き支援してきました。科学的で効果的な発展計画により、一人ひとりの遊牧民や農家が貧困脱却の成果を享受しています。
「小康社会に向かう中国人の暮らし」、今回は青海省海南チベット族自治州で移住し、ヤクの養殖に携わる人々の生活改善についてお話しました。
さて、今回を持ちまして、27回にわたって放送したこのコーナーは最終回となります。長い間、ありがとうございました。皆さん、良いお年をお迎えください。お相手は王秀閣でした。再見!(閣、CK)