【観察眼】数字で振り返る2020中国 危機の深淵から再スタート

2020-12-18 20:29  CRI

 2020年は誰にとっても特別な一年だったに違いない。新型コロナウイルスの発生により、ロックダウン、米国株式市場の4回に及ぶサーキットブレーカー、そしてWTI原油先物が史上初のマイナス値になり、生涯忘れられない出来事が次から次へと目の前にやってきた。ブラック・スワンが満天に舞い上がるような灰色の世界になったと言っても過言ではない。人々が着けるマスクが新しい風景となったが、それはお世辞にも美しいとは言ない。私たち人類にはできることに限りがあるにせよ、とにかく懸命に毎日を生きている、決して足どりを止めることはしていない。

【観察眼】数字で振り返る2020中国 危機の深淵から再スタート

 1100万人が76日間に払った「犠牲」の意義=武漢

 新型コロナウイルスが拡散を防ぐため、2020年1月23日、武漢市はロックダウンし、中国全土が待ちわびた旧正月は一変した。武漢市では約1100万の住民がこれまでにない不安に包まれ、病院以外はすべて一時停止となり、自分のためにも、他人のためにも、極力家から出ないという76日間の戦いを迎えた。中国疾病予防管理センターの疫学首席専門家・呉尊友氏の話によると、武漢のロックダウンは少なくとも中国国内で150万人の感染と6万人の死亡を食い止めた。これがまさに1100万の武漢市民が成し遂げた最も意義のあることだろう。

【観察眼】数字で振り返る2020中国 危機の深淵から再スタート

 2000億以上の中国産マスクが世界へ

 2月1日の時点で、中国のマスク生産量は一日約1千万枚だったが、同月の25日までに7619万枚まで上り、さらに4日後1.16億枚に達し、最初の生産量より12倍も増加した。これらのマスクは国内に供給するだけでなく、世界中にも援助の手を伸ばした。中国外交部が発表したデータによると、これまでに中国はすでにマスクを2000億枚余り各国に提供している。しかし、大活躍した「中国産マスク」がかつて「マスク外交」との善意を歪曲する声が上がり、どれだけの中国人が心を冷やしたことだろう。これに対して、欧州連合の高官らは「マスク外交」言論を批判し、スペインのアランチャ・ゴンサレス・ラヤ外務大臣が「人の善意を外交手段にしてはいけない、人類たちは手を携えて助け合うべきだ」と呼びかけた。

【観察眼】数字で振り返る2020中国 危機の深淵から再スタート

 500メートル球面電波望遠鏡「天眼」&「北斗」衛星測位システムの未来に期待

 中国天眼(FAST)が1月に検収され、1年近くで観測サービス時間が5200時間を超え、目標の2倍近くとなり、現在までに発見されたパルサーの数は240個以上に達している。FASTが非常に大きな可能性を秘めており、今後5年の間に1000のパルサーを目指しているという。

【観察眼】数字で振り返る2020中国 危機の深淵から再スタート

 1994年の「北斗1号」打ち上げから26年経った今年の6月23日、中国の衛星測位システム「北斗3号」を構成する最後のグローバルネットワーク衛星が打ち上げに成功した。同衛星は55基目となる北斗測位衛星で、打ち上げ後は順調に軌道に投入され、現在、全世界で137ヶ国とサービス提供の契約を結んでいる。科学技術の成果は人類への最大のプレゼントであり、未来への貢献が期待できる。

【観察眼】数字で振り返る2020中国 危機の深淵から再スタート

 3歳の「輸入博」 30歳の「浦東」 40歳の「深セン」が見せるありのままの中国市場環境

 パンデミックが与えた経済への衝撃により、経済回復は世界中の難題となった。中国も例外ではない。徐々に経済回復に努めた中国は11月5日、期日通りに「第3回中国国際輸入博覧会(CIIE)」を開催した。今回の成約額は前回より2.1%増の726億2,000万ドルと過去最高の成約額となった。中国の経済回復につれて、多くの外商投資者も自信を取り戻した。日本貿易振興機構の水田賢治首席代表は「コロナの影響で世界中のいろいろな動きが止まっている中、中国だけが操業再開を果たしている。輸入博の開催は日中双方の利益に繋がるいいイベントだ」と期待の言葉を寄せた。

 かつて田畑や原野が広がるばかりだった上海市浦東区が、30年の時を経て最先端エリアに変貌した。この30年間で1029.5億ドル(約10.7兆円)の外資と170か国・地域の外資企業3.6万社を誘致した。また、「モデル都市」と呼ばれる経済特区の深セン市は今年40歳を迎えられた。1980年、人口3万人しかない漁村から発足し、わずか40年をかけて成長を遂げた。中心部の福田区の一角を占める「華強北」はもともとは秋葉原を模して作られたが、今や秋葉原の30倍という世界最大の電子商店街として世界に注目されている。中国のありのままの市場環境を世界に見せ、ウインウインの姿勢で発展をもたらしている。

【観察眼】数字で振り返る2020中国 危機の深淵から再スタート

 7697億元の「ダブル11」注文金額 最高記録更新

 今年のW11は、天猫(4982億元)・京東(2715億元)を合わせた合計注文金額が7697億元(約12兆円)と、過去最高を記録した。84の国と地域から2万6000以上のブランドがアリババのダブルイレブンに参加し、海外から中国の消費者に120万の新製品を提供したという。コロナで巣篭もり生活が増えたため、中国でライブコマースがさらに活発になり、人々の消費習慣にも変化があった。消費ニーズの高度化と情報技術(IT)の持続的な成熟により、今年の「ダブル11」の消費には多くの新たな特徴がみられ、コロナ禍にも関わらずプラス成長を見せている。

 私たちは平等に災難に直面している。ゼロからやり直しても諦めてはいけない。これらの数が表す中国の足跡は決して自慢話ではなく、私たちが困難の前に力を合わせ、共に奮闘してきた証拠だ。世界のコロナはまだ収束していない。withコロナの日々が日常生活になった今こそ、手を携えて、人類が共同の敵「新型コロナウイルス」と最後まで戦うべきだ。帆を揚げて再出発する時である。(CRI日本語部論説員)

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10月29日放送分
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佟同