北京
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習近平国家主席は20日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)第27回非公式首脳会議で、中国は環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への加盟を前向きに検討すると表明し、世界の注目を集めた。
CPTPPの前身は米国と日本が主導する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)だが、米国のトランプ現大統領は2017年1月の就任直後、TPPからの離脱を宣言した。その後、TPP交渉に参加した他の11カ国は数カ月の交渉を経て、2017年11月に新たな合意について基本的な重要合意に達したと発表し、CPTPPと改称した。2018年12月30日、協定は正式に発効された。
米国がTPPから脱退した後、世界各国から中国の加盟を望む声が挙がっていた。今年に入ってから、中国側は何度も前向きなシグナルを発している。今年5月に行われた全人代記者会見での李克強総理の回答も、最近の中国外交部と商務部の発言も、中国のCPTPP加盟に対する「前向きで開放的な姿勢」を見せている。それに加え、APECでは、最高指導者の習近平氏がCPTPP加盟を前向きに検討すると明言しており、一連の態度表明は、多国間主義と貿易の自由化に対する中国の確固たる立場を表した。
新型コロナの影響により、世界経済の脆弱な状態が続き、貿易投資も低迷している。こんな中、中国がCPTPPに加盟すれば、自国の市場をさらに開放し、輸入を積極的に拡大することになる。これは各国に巨大な市場を提供し、世界経済の回復と成長をけん引することを意味する。CPTPPが定めた貨物貿易におけるゼロ関税品目数は全体の95%にも達しており、これは中国と他の加盟国との貿易の更なる成長につながるとみられる。このほか、CPTPPへの加盟は中国と第三者との協力を強化し、「一帯一路」の共同建設をさらに推進することもできる。
CPTPPへの加盟は中国自身にとってはチャンスであり、チャレンジでもある。CPTPP加盟により、電子商取引やIT分野で優位に立つ産業や企業がより大きな外国市場を獲得し、中国企業の「海外進出」のために公平、自由で広い世界市場を整備することができる。これは、国内の大循環を主体とし、中国と世界の二重循環が相互に促進するという新たな発展モデルの構築を加速するのにも有利である。同時に、CPTPPには伝統的な貨物貿易だけでなく、サービス貿易、金融、通信、ハイテク、知的財産権、デジタル経済、環境基準、国有企業改革なども含まれており、基準も高い。それらの基準を満たすために、中国は改革をさらに深化させ、産業構造を調整し、経済の質の高い成長を促進しなければならない。
「前向きに加入を検討する」というのはただの始まりに過ぎず、加入までには長い道のりがある。最終的な結果がどうであれ、改革開放を断固として推進し、多国間貿易体制を擁護し、経済のグローバル化を推進し、人類運命共同体を共に構築するという中国の立場は変わらない。(CRI日本語部論説員)