北京
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担当:王小燕、斉鵬
学校再開を迎えた河北省雄県の中学校、検温して校内に入る生徒たちの列(写真提供:雄県教育局)
9月1日は中国では新学年が始まる日です。今年は新型コロナ予防対策のため、各地では学校・学年を分けて、時間をずらして授業を始めることにしています。全国で約3億人が学校に戻ることになります。
さて、今週の番組、まずは「安倍首相の辞任表明に対する中国での報道の仕方は?」というリスナーさんの質問にお答えします。続いて「旬な話題」では、各地の学校再開の様子とそれに合わせて実施されている新型コロナ予防対策を取り上げます。後半は「CRIインタビュー」の戦後75周年記念特別企画です。この夏、「コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること」と題して、リスナーの皆様に寄稿していただいた内容を総括します。続いて、作詞家で、「花が好き、歌が好き、平和が好きな」大門高子さんが現在創作中の歴史連作三作目に寄せた思いをインタビューしました。最後は、大門さんが率いる「紫金草合唱団」、「再生の大地」合唱団の団員で、今は日本に帰国した中国残留孤児の波多野晶子さんのお話をお送りします。波多野さんは1987年に帰国しましたが、実の両親と親子関係が確認されないまま、自身の生い立ちに関する謎が解けないままも、健気に歌を歌うことで、心の慰めを得ています。詳しくは9月1日放送の「CRIインタビュー」から。
北京スケッチ(8月24日、玉淵潭公園にて。平文智撮影)
2020年9月<今月の特別寄稿>
東京都 イタズラ爺さん・奥田正彦さん(85歳)
「プロフィール」
北京放送リスナー歴30年余り。故郷大阪府の池田市にある呉服神社(呉の国から渡来し、日本に機織技術を伝えたとされる織姫・呉服媛が祭られている)で日本と中国との文化的なつながりに感銘を受け、中学・高校時代から中国旅行を思い続けてきました。定年退職後、1997~99年シルバー留学生として北京や上海で遊学。篆刻とは35歳に出会い、中国で語学留学をしていた時、漢詩にこころを動かされ、帰国後「詩句印(漢詩から選んだ言葉をハンコに彫る)に取り組み、以来約20年にわたり詩句印を作り続けています。
盛唐の詩人・王昌齢の詩「西宮秋怨」から「秋扇」を選びました。理由は、ぼくも「怨歌行」を読んで班婕妤にこころを寄せていたからです。
西宮秋怨
王昌齢
芙蓉不及美人粧 水殿風來珠翠香
卻恨含情掩秋扇 空懸明月待君王
芙蓉も及ばず美人の粧い 水殿風来って珠翠香し
却って恨む情を含んで秋扇を掩うことを
空しく明月を懸けて君王を待つ
詩の内容は、「蓮の花の美しさも、美しい宮女(班婕妤)の化粧をこらした姿には及ばない。宮女のいる蓮池のほとりの宮殿に風が吹いてきて、帳を飾った真珠や翡翠は芳しく香る。だが、残念なことに、宮女は自身の気持ちを押し隠しながら、扇をしまいこみ、空の明月にむなしく我が身を照らさせつつ、君王が訪れるのを待っている」というものです。
「秋扇」 奥田正彦篆刻
班婕妤は、漢の成帝の愛妃でしたが、趙飛燕姉妹の参内によってその寵愛を失い、みずから帝のそばを離れます。けれども帝に捨てられた身の嘆きは忘れがたく、自身を秋の扇にたとえた詩「怨歌行」を詠みました。以来、同情する多くの詩が作られました。王維の「班婕妤 三首」、王昌齢の「西宮秋怨」もその一つです。
この詩の後半にみえる「秋扇」は、夏の間は使われてきた団扇が、気候が涼しくなる秋になると捨てられることから、配偶者や庇護者の恩愛を失った女性を指すことが多く、班婕妤は「怨歌行」に自身の姿を団扇に喩えています。「空懸明月」は、漢の武帝の寵愛を失った陳皇后が、自身の悲しみを叙し、帝への思いを述べる賦を司馬相如に作らせた「長門賦」の一節を踏まえています。すなわち、「懸明月以相照」の句を想起させます。
<お便りの抜粋>
★愛知県岩倉市・杁本直正さん
新型コロナウイルスの収束が見通せないなか、安倍首相が辞任表明されました。ビックリです。まだまだ、やれると思っていたのに残念です。中国ではこのことに対してどのように報道されていますでしょうか?
★岐阜県美濃市・平野精一さん
火曜日の「ハイウェイ北京」の時間を拝聴して、最初に北京国際映画祭の話題を取り上げていましたね。オープニング作品が、32歳の若手監督の作品だそうで150分は思わず長そうと思ってしまいました。
作品の内容だけではなく資金難の苦労話なども伝えていましたが、最後まで撮影できたのは良かったですね。また日本からも作品が参加しているのかについても知ることが出来ました。この中では北京や上海だけではなく、長春でも映画祭が開催されたと言っていましたが、貴国では何カ所で映画祭が開催されるのだろうとも思いました。
★指揮者・本並美徳さん(79歳)
本並美徳さんのホームページから
我が家の庭には毎年、紫金草の新芽がこぞるように持ち上げてきています。毎年全国に送っています。この活動は私が全国一番です。「しきんそうたのむ!」と大門高子先生から情報はいつも届いています。
コロナ禍の中、日本の私や、私たちの活動を知っていただきたく、メールいたします。南京にはあれ以来毎年、ですから10数回の参加ですね。その後「藤後博巳」と共に、紫金草合唱団、男声合唱団「昴」等のメンバーも含め、全国の有志で満蒙開拓団の足跡を追求してまいりました。
軍国日本のむごさ……
世界は解決しなければならない、また友好を広げなければならない課題がいっぱいありますね。紫金草はゆるぎない絆だとお互いに自慢したいですね。人類は今危ない道を急速に進んでいます。「核」「地球環境」「世界経済」、何とか「世界平和」がなりますよう、お互いに頑張りましょう!
本並美徳のURL「本並美徳の合唱指揮人生」他のリンクもご覧ください。
★東京都大田区・三輪徳尋さん
中日間の貿易において、日本は常に黒字が続いて、それこそ身近にある様々な食料品や日用品などの多くが中国から輸入されている品物で溢れている日本において、中国で「国内大循環」政策が行われると聞いて、対外貿易がなくなることで物の価格が高くなるのではないかと不安になってしまう人が、残念ながら決して少なくないのだろうと思います。
多くの人が、中国で「国内大循環」と聞き、中国国内の大きな需要を効果的に拡大させて発展させることを進めてゆけば、中国にある多くの多国籍企業にも、あまねくより大きなチャンスが訪れるということを自然に想定できるまでには、まだ時間がかかるように思います。
コロナウイルスによって多くの国の企業が業績を悪化させ、いまだに十分に回復ができていない現状で、中国企業の多くが驚くような回復を見せていることは、政府による防疫措置や財政出動が市場に対してとても効果的に働いているものと思います。今回は、中国にある日本企業も中国企業と共に活性化している市場の恩恵を得て、しっかりと業績を回復して、中国での企業活動を大きく発展させて欲しいと思います。
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