担当：王小燕、斉鵬
広州交易会のオンライン開幕式（写真提供：広州交易会公式サイト）
北京では、市内最大の農産物卸売市場「新発地」の関係者を始め、ここ5日間で100人を超える新型コロナウイルス感染者が確認されています。これを受け、市内の一部地域では、警戒レベルが引き上げられ、体温検査や身分証明の提示など感染対策が再び強化されています。
北京で発生している感染者の急増について、専門家はウイルスの疫学的調査と感染の規模をチェック、分析を続けています。これについて詳しくは今週番組の前半「旬な話題」で取り上げます。また、週明けの15日に、第127回中国輸出入商品交易会（広州交易会）がオンライン開幕式を行い、今回は出展そのものもオンラインでの開催となり、63年ある広州交易会の歴史で初めての試みとなります。
後半は「CRIインタビュー」。温州生まれで、現在は上海在住の楊熹さん（写真上、本人提供）に話を伺います。この1月から5月末まで、楊さんは私財をはたいて、当初は武漢やふるさとの温州を始めとした中国国内に、その後は日本、イラン、イタリア、セルビア、ハンガリー、イギリスなどにマスク計20万枚余りを寄贈。この間、マスクの調達、発送のために奔走した毎日でした。苦労を厭わずに感染拡大の中心地を追う形のように、コツコツとマスクを送り続けた楊さん。マスク寄贈の背後にどのような思いがあり、どのような人生があったのでしょうか。詳しくは【CRIインタビュー】をお聞きください。
＜お便りの抜粋＞
★東京都大田区・三輪徳尋さん
今回のお二人のお話で、中国の民法典での居住権に関して、「居住権」を明示して権利を強めた意図が、「貧困層の人々の権利保護と生活の安定をはかること」、「居住権があれば所有権は不要となるそのために不動産価格の安定につながること」や、「日本と同じように承継で生じる配偶者が被る不利益を防ぐこと」、土地を所有することが出来る日本と土地が「公有」である制度の違いなどにも気づき、もやもやとしていた部分のもやがだいぶ少なくなりました。
中日の子供たちがみんな親不孝でなければこんな権利は作られなかったのかもしれないと考えると複雑なおもいです。
この法典で、プライバシーや個人情報の保護については、どのようなことがプライバシー侵害行為にあたり、個人情報とは何かの定義、自然人の権利と個人情報を扱う者の義務など、わかりやすく明確に示されたことで、このさき、生活する上でとても重要な条項になるものと思います。
★名古屋・ゲンさん
北京も暑くなってきたんですねー。日本でも熱中症にならないよう、人があまりいない所では、マスクは時々はずすようにとか、色々言われています。夏は扇子にマスクの絵を描いて使ったらどうかしら。
コロナ最前線の情報、真剣に聴かせてもらっています。武漢の1000万人調査っていうのはすごいですね。感染第2波の到来の影響を受けないための叡智を世界中で共有したいです。
民法典の続報も興味深かったです。上下だけでなく、平等とか自由という立場が暮らしの中であるんだという認識が持てるようになるまで、途方もない歴史的な時間がかかるのだなぁと思いました。王小燕さんが、「肖像権」を例に出して説明してくれましたが、「有名になったからいいじゃん」という価値観だけでなく、個人特有の想いや利益を尊重するという意識が浸透するだけでなく、法律で保障されるのは画期的なことですね。
「居住権」に関しても、あらかじめ、あらゆる事態の発生を考慮して、事前に権利をとっておくことが大切だということがよく分かりました。でも、梅田さんが言ったように、居住権を持っていても、お互いに毎日顔を合わせるのも嫌な場合、平穏に暮らすための道具は、やっぱり「法律」ではなくて、「平和主義」という理念でしょうね。
★高知県四万十市・杉村和男さん
月曜日の北京市は38℃もあったそうで、驚きました。高知は梅雨という、雨の季節の真っただ中です。今日６月10日、四万十市中村の最高気温は25.2℃となっています。ただ、日本全体を見ると、福島県会津若松市36.4℃、岩手県宮古市35.4℃、長野県長野市35.1℃、北海道北見市31.1℃、富良野市30.3℃、東京都八王子市33.6℃（いずれも気象庁ホームページより）などとなっており、四万十市は日本の中では、涼しい方になります。
９日の放送も、新型コロナウイルスについての報道からでしたが、武漢市の５月14日から６月１日までに、989万9,828人検査して、そのうち300人の無症状感染者、また、行動白書では、中国全体の患者数８万３千17人中、全快７万８千307人、治癒率94.3％という数値から、中国における新型コロナウイルスは、ほぼ収束しているように感じます。
日本の情報番組も、新型コロナウイルスの報道が少なくなりました。日本では、梅雨入りや大雨など気象に関する情報、プロ・スポーツ再開について、芸能人のスキャンダル、そんな内容に変わりました。具体的には。四国地方では明日夕方までに、多い所で250ミリの雨が予想されています。新型コロナウイルスの影響で中止されていた春の選抜高校野球は、８月に甲子園球場において、出場の決まっていた学校が参加して、交流試合が行われることになりました。今日６月10日、そんなニュースが伝えられています。感染者は確かに減っていますし、長い間、コロナウイルスのことばかりで、疲れていることも分かります。しかし、世界全体を見れば、とてもまだ、目出度し、目出度しという状況では有りません。大丈夫かと、案じています。
来年１月から施行されるという民法典の話題で、貸借権より居住権が上位に有るという点に、大変興味を持ちました。低所得者が生涯安心して暮らせるように、社会的に弱い立場の人々を守るという主旨が素晴らしいと思いました。この辺りにも、借地、借家をたくさん保有している人がいます。多額の家賃収入が有り、家主は大きな家に暮らしています。その人自身が稼いで、土地や家屋を得たのであれば納得いきますが、父の代、祖父の代というように、先祖代々、土地や家屋を持っていたもので、最初から、家系によって、不動産の所有が決まっているのです。こういうところが不平等だと、いつも感じています。新型コロナ・ウイルス感染拡大は大きな試練でしたが、そのことで社会的弱者、強者の立場が鮮明になりました。この試練を教訓に、そういった反省点を改める必要が有ると思います。この民法典の制度は良いなと思い、お聴きしたことでした。
さて、添付写真は５月27日、四万十市江ノ村（えのむら）で撮影した、水田周囲に咲くクララです。先に、別の場所で撮影した、川沿いに咲く同じ花の写真をお送りしましたが、背景や環境が変わると、大分、雰囲気が違ってきます。オオルリシジミという珍しい蝶が、この植物だけに集まるそうです。
写真下は、ヒルガオ（昼顔）の花です。名は、昼に開花することによります。日本には同様な名前の、アサガオ、ユウガオがあります。ヒルガオは野生ですが、アサガオ、ユウガオは園芸品種です。典型的な里山植物です。子供の頃には四万十川の河原や田畑周囲など、どこにでも有りましたが、河川敷が芝生公園になったり、田畑が埋め立てられたりして、少なくなりつつあります。そのため、この花を見ると、懐かしいという気がします。５月27日、四万十市具同（ぐどう）での撮影です。
写真下ウツボグサです。西洋では、セルフヒールというハーブ（Herb）として、呼ばれているようです。ラベンダーと同じ仲間になります。そのため、花の色はラベンダーに似ます。このように群生すると、ラベンダーの１種、ストエカス・ラベンダー（うさぎの耳のような花）が咲いているように見えます。５月28日、四万十市森沢（もりさわ）での撮影です。
写真下はアラゲハンゴンソウ（粗毛反魂草）です。名は、葉、茎に粗い毛が生え（触ると、ざらつきます）、反魂は、「死者の魂を呼び戻す」の意です。同じ仲間にハンゴンソウがあり、この植物の葉の垂れ下がる様子が、幽霊の手を連想させることに因ります。 花そのものは、以前、お送りしたハンカイソウによく似ます。水田の稲の緑が大分、濃くなってきました。
写真下は森沢川の渓流です。四万十市街から、５分ほどで、このような深い山の中になります。四万十川支流の中筋川（なかすじがわ）のまた、支流になります。川の水は、驚異的な透明度です。こんな川ばかり集まるので、四万十川が綺麗な訳です（自慢ではありませんが）。夕刻、妻とよく散歩に出かける場所です。妻は、ことのほか気に入っており、ここに来ると、心身が浄化され、大自然のパワーが体内に注入されているようと、話しています。確かに、植物の緑が非常に多いので、酸素が濃く、ひんやりしています。ごく近くに、森沢という集落があり、夏でもクーラーが要らないそうです。５月29日、四万十市森沢（もりさわ）での撮影です。
暑くなってくると、エアコンを使う機会が増えてくると思います。四万十市はまだ、そこまで暑く無く大丈夫です。エアコンつけると窓は密閉状態になって新型コロナウイルスの感染リスクが高くなり、エアコンつけないと熱中症になる可能性があり、どうすれば良いのでしょうか。未知な夏になりますね。ではまた、お便りします。
◆ ◆ ◆
この番組をお聞きになってのご意見やご感想をぜひお聞かせください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040 中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】もしくは【〒152-8691 東京都目黒郵便局私書箱78号 中国国際放送局東京支局】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。
