北京
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23/19
北京では11日から14日夜までの期間に新型コロナウイルスの新規感染者が50人を超え、それまで50日以上続いていた「感染者ゼロ」の記録は突如ストップした。予防体制が緩和されたばかりだったというのに、政府は「非常時に入った」と宣言し、町は「第2波」に備えて再び緊張感に包まれた。
今回の感染者の共通点は、市内最大の食品卸売市場「新発地市場」であった。最初にウイルスが検出された武漢の「武漢華南海鮮卸売市場」を想起する人も多いだろう。新発地の場合は、サーモンを扱うまな板からウイルスが検出された。サーモンがウイルスを媒介したのか、ウイルスがまな板にたまたま付着していたのかは不明だ。だが、これまでの研究に基づけば、サーモン自体が新型コロナウイルスの宿主になることがほぼ不可能だという。では一体、どこからどう広がったというのか!このウイルスと、早くも半年近い付き合いになった我々だが、ここに来て新たな課題に直面してしまった。
未知への危機感を覚えるが、これをウイルスの新たな一面に近づくチャンスと捉える者もいる。今回の新規症例を通じて新型コロナウイルスの中間宿主が新たに突き止められれば、感染対策は大きな進展を遂げる可能性がある。2004年に、研究者はまさにSARSの第2波の発生を機に、その中間宿主であるハクビシンを特定した。それは、SARSウイルスの徹底的な封じ込めの大きなステップとなった。中間宿主を見つけたとしてもウイルスを完全に封じ込められるとは限らないが、この動物の繁殖から販売までのチェーンを切り離し、潜在リスクを大幅に下げることはできる。研究機関にはこれから、市場で扱われるすべての種類の動物に対する徹底検査が求められる。
「一体、いつ終わるのか!」と嘆く気持ちは分かるが、次々に訪れるピンチもチャンスとして捉える意識こそが、長期化するウイルスとの共存を大いに助ける力になるはずだ。(CRI日本語部論説員)