北京
PM2.577
23/19
中国の学校で本来は2月中旬に始まるはずの春学期が、今年は新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。受験生である高校3年生と中学3年生の通学再開は徐々に進められているが、それ以外の学年の中高生と小学生、そして大学生は未だにオンラインの授業を受け続けている。
新型コロナウイルスの世界的な蔓延が続く間は、教室での授業とオンライン授業の併用が続くと見られている。これを機に、授業自体の形式が変わっていく可能性も高いだろう。
これまでオンライン授業と言えば授業のサポート的存在、言わば「脇役」であったが、新型コロナウイルスの流行により、突如として主役の座に押し上げられることになった。しかし、いきなり主役になったため、条件の不備や不慣れが原因で、当初は生徒も保護者も教師も困り果てた。使用するアプリケーションも定まらず、生徒はPCやタブレット端末に複数のアプリをダウンロードして使い分けなければならなかった。教師の方も、教室での授業とは勝手が異なり、「これまで一流の教師のつもりでいたが、今では新人の動画配信者のようだ」と、半ば冗談とも言えないジョークを言う者もいた。
だが、そんな状態もやがて落ち着き、オンラインならではの長所も見えてきたようだ。まずは、ネット回線と端末さえあればいつでもどこでも学習できるという点。次に、一回聞いて分からない場合は繰り返し再生できる点だ。どうしても分からないことは、担当教師に個別に質問することもできる。生徒としては自分のペースで学ぶことができ、周りとテンポが違っても恥ずかしがることはない。知的好奇心さえあればいいのだ。
5G時代の到来が、教育現場の主流をオンライン授業に変える可能性も低くはない。それが教育の公平性を実現するきっかけになるかもしれない。緊急事態における一時的な対応と考えず、アフター・コロナ(或いはウィズ・コロナ)の時代にも適合するものという前提をもって、オンラインを意識した授業の手法や教育制度の整備は必要となっていくだろう。
(CRI日本語部論説員)