北京
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23/19
<ライフマガジン>
今週の「ライフマガジン」では、こと一年間、中国人のライフスタイルに纏わるキーワードを振り返ってみましょう。
キーワード①:故宮
故宮博物院は、中国の明と清の時代の皇帝のお住まいである、「紫禁城」のことです。2019年、故宮をめぐる文化・クリエイティブグッズが大ブレイクしました。例えば、文化系番組「上新了·故宮(故宮フェア、新発売)」は大きな話題を引き起こし、番組に紹介された故宮グッズは超人気商品となり、ほぼ発売日当日に完売されるということです。若者にも故宮に来てもらうために、故宮はいろんな取り組みをしています。口紅、化粧品やパジャマなどの故宮人気グッズなど、クリエイティブ商品の発売だけではなく、故宮は「中国の祭り」をテーマとした、総合クリエイティブプロジェクトもスタートしました。
来年、2020年は故宮誕生600年を迎えます。さまざまな表現形式を通して、デジタル化された技術の特色を生かしながら、アイディアに溢れたファッションショーや、シリーズ化された知的財産権を持つクリエイティブグッズは、故宮の特色をアピールし、異なる角度から故宮の文化を伝え、無形文化遺産を伝承していくことが望まれています。
キーワード②:日本人学生の中国企業への就職
中国の独身問題、深刻になりつつありますね。各業界・業種のうち、高学歴の独身者の割合が高いのです。特に、インターネット、金融、建築業界にこの傾向が目立っており、独身者のうち、大学院卒のエンジニアの割合が最も高く、20.9%に達したました。データによりますと、5割以上の独身者が一人暮らしをしており、わずか3割が親と同居しています。そして、職場における独身者のうち、親と同居している割合は、女性が男性を上回っていたということです。また、若者が独身から抜け出せない三大原因として、「交際範囲が狭い」、「仕事が忙しい」、そして「自分から自発的にアクションを起こさない」が挙がっています。
キーワード③昼休み経済
昼休み経済とは、一般的に、市民が昼休みを利用して、昼寝やエステ、フィットネス、あるいは自分が興味を持っている活動に参加して、それによってもたらされる経済的利潤のことを示しています。昼休み消費は、飲食・レジャー・文化など複数の業界に関連するようになり、多くのメーカーやショップは、昼休みに的を絞り、販促活動や優遇措置をうち出し、消費者にカスタマイズされたサービスを提供しようとしています。一部のフィットネスジムも、昼休みの時間に、ヨガやエアロビクスなどのフィットネスクラスを設け、多くの女性社員から好評を博しています。昼間の上映を行っている映画館も多くなっています。
キーワード④ 996勤務体制
「996」とは、午前9時から午後9時まで週に6日間働く勤務体制を指します。インターネット関連企業では、「996」は特に珍しいことではないようですね。「出勤する時には、日はまだ出ておらず、退勤時には、すでに日が落ちている」というライフスタイルは、彼らの日常では当たり前のことのようです。996勤務体制に対する関心から、現在の中国の若者が直面する社会的プレッシャーについて考えを深めることもできます。社会システムの方面から若者に対するプレッシャーをどのように減らすかについては、時にはマクロ的な視野に立って、正面から直視する必要があります。996勤務体制が反発に遭ったことは、単なる警鐘のひとつに過ぎないでしょう。