北京
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出土したネコの磚雕。画像は陝西省考古研究院が提供
陝西省考古研究院は今月18日、寧強県高家河村にある宋(960‐1279年)の時代の古墳5基から、レンガに彫刻を施した「磚雕」が大量に発見され、その中にはネコの彫刻もあったことを発表した。西安晩報が報じた。
漢中市寧強県代家■鎮高家河村(■は土へんに貝)の西側に位置するこの古墳は、今年初め貧困支援の一環として道路工事を行っていた時に発見された。今年2月から8月までの7ヶ月にわたり、磚室墳(レンガ造りの古墳)5基の発掘作業が行われた。5基の形や構造は似ており、秩序正しく並んでいることから、考古チームのリーダー・李坤氏は、「家族墓ではないか」と推測している。
発見された木造の磚雕室の四方の壁に積まれたレンガには、向かい合って座る夫婦、武士、机、椅子、茶道具、動物、花、窓枠などが巧みに彫刻されていた。そこから、宋の時代の人々の生活を垣間見ることができる。
不思議なことに、古墳からは非常に珍しいネコを描いた磚雕が発見された。今までの考古学資料によると、学界では、最初にネコをペットとするようになったのはエジプト人で、約3600年前からネコを飼うようになったとの見方が一般的だ。李氏は、今回ネコの磚雕が発見されたことに関して、昔の人は「死を見ること生の如し」と考えていたため、この墓に入った故人がネコをペットとして飼っていた可能性も否定できないとしている。
出土した黒釉ツボ
古墳の発掘現場
その他、それら古墳からは遺物30点以上が発見されている。考古学チームは出土した器物の形や構造からして、北宋後期から南宋にかけての古墳だとみられている。なかでも早い時期に作られたと見られる古墳は比較的精巧なのに対して、後に作られたと見られる古墳はそれほど精巧ではなく、副葬品も少ないという。
古墳は交通が不便で辺鄙な場所にあり、この墓に眠る一族は時と共に没落してしまったと見られる一方、この地域には北宋後期にはすでに住民がいたということも示している。陝西省南部で発見されている宋時代の古墳は少なく、今回発見された古墳は同地域における北宋後期から南宋前半にかけての文化の研究のために、貴重な資料を提供している。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年12月20日