【観察眼】中日両国が手を取り合い、文化遺産の復元へ

2019-11-01 12:51  CRI

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 10月31日未明、沖縄県那覇市の空は真っ赤に染まり、2000年に世界遺産に登録された首里城がほぼ全焼した。これに対し、中国国内でも「大火事が『琉球の故宮』を飲み込んだ」と大きく報道され、SNSでも嘆く人が多くいる。

 沖縄の文化・歴史・観光のシンボルとも言える首里城。戦争による焼失から復元させる工事が1989年に始まっており、その過程で中国とも深い縁が築かれている。デザインの面でも、首里城は琉球王国時代に取引のあった中国の宮殿建築の影響を深く受けている。しかし、残された書籍が少なく、復元作業が難航していた。中でも、大きな課題になったのが「赤色」の再現であり、忠実に再現するために、プロジェクトチームのメンバーらは北京の紫禁城を訪れ、参考となる色のサンプルを持ち帰り、復元作業に役立たせている。

 文化財の復元については、北京の故宮博物院の取り組みは近年世界から注目されている。文物のデジタル記録や色の再現を忠実に行ったデジタル表現、更にはVR技術による復元など、多様な取り組みが行われている。そして、その成果が目に見える形で一般の人々に公開され、歴史をより立体的に伝えている。当然、これには多くの知恵と技術が積み込まれ、日本企業も大きく貢献している。

 一夜の火事にして、世界の人々はまたもや大きな文化遺産を失った。嘆く一方で、失ったものをよく知る人達にできることは、知恵を出し合って歴史と文化を伝えていくことが課せられた使命ではなかろうか。幸いなことに、今の世の中は技術の進歩が急速なうえ、中日両国でお互いの長所を発揮できる分野があり、一層の使命感と協力の必要性を感じる。痛む気持ちを前進する糧に変え、両国が技術と職人を結集させて取り組む姿が、そう遠くないうちに見られることを期待したい。(日本語部論説員)

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刘睿