北京
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中日共同世論調査結果の記者会見が24日、北京で行われた。今年で15年目を迎える同調査の結果は、「両国関係に対する民意は全体的に好転が継続しているものの、いまだ堅固とは言えない」というものだ。
この世論調査では毎回、いくつかの項目が話題になる。一つは「相手国に対する印象」である。日本に対する印象が「良い」または「どちらかといえば良い」と答えた中国の回答者の割合は、ここ数年で最高の45.9%となった。一方で、日本側の割合も同じくここ数年で最高の15%となった。
全体的に見れば改善傾向にはあるが、両国の温度差は小さくない。その原因として挙げられるのが、実際に相手国を訪れたことがあるかどうかという点だ。中国の回答者の20.2%が日本への訪問歴を持ち、その半分以上が過去5年以内である。一方、日本側は中国への訪問歴を持つ人の割合が14.4%で、しかもその半分近くが、最後に訪れたのは11年以上も前だと答えた。
徐麟中央宣伝部副部長兼国務院新聞弁公室主任(左)に北京の青空の画像を見せる福田康夫元首相(撮影:姜永剛)
実際に自分の目で、その国の「今」を見たことがあるかどうか。それが国民感情に大きな差を生んでいる。すなわち、現地に赴き、現地を知ることこそが相手国への印象を変える最大の近道であると言える。日本の福田康夫元首相は、昨年の東京―北京フォーラムの中国代表との会見で、自身が撮影したという北京の青空の画像を表示したスマホを片手に、「中国の実情が日本で反映されていない」と嘆いた。また、年に何度かある様々な訪中団への取材において、筆者が必ず耳にする感想が「実際に来てみると、思っていた様子と違う」「生活が便利で驚いた」という内容だ。若者ほどよくそう口にする。
また、中国への留学について、「周りから心配された」という声も以前と比べて少なくなっている。子供が中国へ留学することをごく普通に受け入れ、送り出す家庭が多くなっているようだ。さらには、高校を卒業してすぐに中国に留学するというケースも年々増え始めている。これも大きな変化だと言えよう。
一家の、ひいては国家の未来を背負う若者を安心して送り出せる国、という印象が中国に根付き始めている。そしてその若者たちは、現地での見聞をSNSなどを通して発信し、我々のような日本語で中国の情報を発信するメディアと共に、より多くの日本人に中国の本当の姿を伝えてくれている。
両国の民意の大幅な改善の道のりは長い。だが、変わっていく若者たちの姿を見ると、我々も一層のやりがいを感じる。(CRI日本語部論説員)