北京
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今月29日、中国と日本は国交正常化47周年を迎える。一時期の紆余曲折を経た両国関係は昨年から正常な軌道に戻り、両国の国民からもポジティブな評価を受けている。その成果は、2018年に約3,538 億ドルに上った貿易総額と1000万人台に上った人的往来の数字にも表れている。良好なムードの中で迎える節目の日を前にして、今一度、先人たちの築いた土台と各界の人々の長年の努力に敬意を表したい。
「新時代にふさわしい両国関係」の構築、これが最近、中日両国の指導者が会談する際の共通認識になっている。では「新時代」とは何か。日本人でありながら中国の証券業に身を置き、その発展を13年間にわたって内側から支えてきた元中信証券国際董事長の徳地立人氏は「中日両国は大規模に学び合う時代に入った」と話している。そして「学び合うべき内容」については、日本貿易振興機構(JETRO)北京事務所の堂ノ上武夫所長がモノづくりを例に取り「中国は設計、アイディア、組立て、販売に強い。日本は素材、コア部品、整備などに長けている。両者の相互補完性は強い」と語る。
世界に目を向ければ、AIや5G通信といった社会、経済、産業のあり方を大きく変える新技術の普及に関する取組みのほか、一国主義とポピュリズムの台頭、温暖化に代表される環境破壊問題など、現代には人類の持続可能な発展のために乗り越えねばならない国際的な共通の課題が多く存在する。このような背景下で、中日両国には地球規模の視野に立って、手を携えてその解決策を模索することが求められている。
身近なところにも目を向けてみよう。昨年10月に発表された「第14回中共同世論調査」(中国国際出版集団&言論NPO)によると、中国人のうち日本に「良い」印象を持つ人の割合は40%を超えるのに対して、日本人は86.3%が中国の印象を「悪い」と回答している。国民感情の改善が、引き続き両国の課題だと言える。
この5月に9年余りの駐日大使の任期を終えて帰国した程永華氏は、先日、北京市内での講演会で「中日関係の重要性が、個人的な好き嫌いによって変わることは絶対にない。長期的かつ安定した中日関係こそが両国の利益につながる」と改めて強調し、両国が関係改善とさらなる発展のモメンタムを今後も継続させていくことに期待を寄せた。これは、両国の識者の共通した願いであると言えよう。(CRI日本語部論説員)