5月7日 火曜日

2019-05-07 19:49  CRI

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1時間目 「CRI時事解説」「グリーンライフ・美しきふるさと」地球人はどう行動すべきか&中国国立バレエ団が日本に初上陸

担当:王小燕、斉鵬

 北京は新緑が美しく、紫花だいこん、アカシアなどと色とりどりの花が満開の季節を迎えました。

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 先月末に開幕した北京国際園芸博覧会。開幕直後にメーデーの4連休を迎えたこともあり、来場者の人数がどんどん更新されています。5月1日から4日の昼頃までの統計によると、この間の来場者は約33万人に上ったということです。

 さて、日本では「令和」に改元された後、最初の「ハイウェイ北京」火曜日となる今日の番組は、まずは「CRI時事解説」です。「『グリーンライフ・美しきふるさと』地球人はどう行動すべきか」と題するCRI論説員の文章を抜粋してご紹介します。

 後半は「スペシャルバスケット」です。中国国立バレエ団(NBC)の日本初公演にフォーカスします。NBCはこれまでに小規模な交流や日本のバレエ団体との共演で、日本を訪れたことがありましたが、今回のように総勢120人の大規模訪日公演はまだ初めてだそうです。訪日メンバーのうち、なんと、団に正式に在籍している大阪出身の日本人バレリーナもいます。

 公演は5月10日と12日の2回で、場所は東京文化会館大ホールです。このうち、10日の演目は、2001年5月に北京で初演された中国のオリジナル作品「赤いランタン 〜紅夢〜」(全2幕)です。北京の後、これまでにはNY、パリ、ロンドンなど世界各地で上演され、喝さいを浴びています。原作は小説家・蘇童の『妻妾成群』。のちに張芸謀(チャン・イーモウ)監督により映画化され、1991年第48ヴェネチア国際映画祭 銀獅子賞(最優秀監督賞)に受賞。チャン・イーモウ監督はバレエでも演出を担当しています。

 続いて、12日は古典バレエの決定版である「白鳥の湖」(全3幕)です。お届けするのは、ロシアの振付家・マカロワ氏の指導を受けたバージョンです。

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 訪日を間近に控え、馮英団長(写真上)をはじめ、プリンシパルの王啓敏さんや主演のダンサーたちに意気込みを聞いてみました。

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〜公演概要〜

【公演名】 中国国立バレエ団 2019年日本公演
【出演】 中国国立バレエ団
【指揮】張芸(チャン・イー ) 
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【日程】
  5月10日(金) 19:00開演 18:30開場(紅いランタン)
  5月12日(日) 15:00開演 14:30開場(白鳥の湖)
【会場】東京文化会館大ホール
【お問い合わせ】
    サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)
    東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650
【公式サイト】www.chinaballet.jp

2時間目 中国駐在歴19年、日本通運・廣田靖さんが語る中国の商環境と「中欧班列」

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聞き手:星和明 構成:王小燕

 日本物流大手・日本通運東アジアブロック地域副総括兼経営戦略室長の廣田靖さんにお話を伺います。ビジネス最前線、それも相互連結が強調される一帯一路構想の中で、物流の最前線にいるベテランとして感じたことをめぐり、星和明アナが4月26日に廣田さんに北京で話を聞いてきました。

 「一帯一路」イニシアティブの構築においては、インフラの相互連結がキーワードの一つに挙げられています。中でも、2011年に重慶とドイツ・デュイスブルクを結ぶ線路の開通で幕開けとなった、中国・欧州定期貨物鉄道「中欧班列」(チャイナ・レールウェー・エクスプレス)が最近、脚光を浴びています。海上輸送、航空輸送に次ぐ第3の輸送モードとしてのポテンシャルが見込まれています。運行本数も当初の年間17本から2018年には6300本にまで増え、同年末までの累計では1万2937本に達しました。

 物流の世界で大きなうねりを作り出したこの「中欧班列」を、日系物流会社としてどう受け止め、またどう行動に踏み出したのか、日通国際物流(中国)有限公司の廣田靖副総裁兼経営戦略室長にお話を伺いました。

◆200拠点ある中国 鉄道輸送が急拡大中

ーーまずは、日本通運の中国ビジネスの概要をご紹介ください。

日本通運グループは1981年に北京に駐在員事務所を開設して以来、今年で38年になります。現在、中国は約200拠点、5500人の従業員を有しています。もともと規制業種でしたが、中国国内の需要の拡大とWTO加盟後の市場開放により、現在、日本通運のほぼすべての業務が中国で展開されています。国際フォワーディングに国内のディストリビューション、倉庫も含みます。中でも、鉄道を使った国際輸送が3年ぐらい前から急に延びています。

ーー中国市場は御社ではどのように位置づけられていますか。

中国は世界一の人口を抱えた国ですし、地方都市もどんどん富裕層が増え、いわゆる地方都市や都市部の格差もどんどん減ってくるのかなと思っています。まだまだ中国国内の需要が旺盛です。それが国家の考える輸出型経済から内需型経済にしていこうということが着実に実現されているということを、われわれがこの国で、この地で仕事をしている者としては、ひしひし感じています。

後は、国外から輸入をして、中国の中で販売するということも着実に増加しています。保護主義反対、自由主義奨励の象徴的な行事は、去年から毎年行われている「中国国際輸入博」です。輸入や内需の拡大は、我々にとっては国際間フォワーディング、プラス国内、あるいは純粋な国内、こういったものに力点を置いていくことが必要になると思っています。

◆中欧班列で可能になった「画期的な輸送」

ーー2011年に開通した中国・欧州定期貨物列車「中欧班列」には、日通は早くから注目しているようですね。

「中欧班列」というのは、もともとブランド名がなくて、そのずっと前の鉄道輸送の話をしますと、海外から来た海上コンテナは連雲港あたりに揚げられた後、港にはある鉄道の引込み線に乗せて一本一本、(新疆の)アラシャンコウ(阿拉山口)まで輸送されます。今度はカザフスタンと中国とで、鉄道の幅が違うんですね。広軌と標準軌で、(コンテナ)一本一本を載せかえていかなければなりません。逆に言いますと、たまらないと欧州に行かない、いつ着くか分からないので、サプライチェーンの主役にもなれない。

ところが、2011年に重慶から、とりあえず台車を41両以上、50両以下であれば、もう待つこともないし、向こう側で41台の貨車が待っていて、いけばすぐ積んで出してくる。これが「ブロックトレーン」(同じコンテナ貨車が同一の仕向地まで輸送するための編成)という話ですね。

そうすることによって、リードタイムが読めるので、サプライチェーンとしても使える。ということが、2011年に重慶とデュイスブルクを結ぶ最初の「中欧班列」でした。

中欧班列というブランド名は、2016年から統一ブランドとして使用されたもので、以前は「チャイナ・ランド・ブリッジ」という呼び名でした。

ーー日通はこの「中央班列」を生かして、去年、輸送試験まで行ったそうですが…

はい。日本の経済産業省の委託による「チャイナ・ランド・ブリッジ」の利活用推進に向けたハード・ソフト面の改善のための調査に基づく一環として実施しました。鉄道輸送で日系企業がメリットの享受をできるかという不安や疑問を明らかにしていくために実施したものです。去年一年間かけて、14ルートで実験をしていました。これはコンテナ一本一本で出した実験です。そのうち、欧州から中国へもってくるものをさらに足を伸ばして、日本にもっていくと、こういったものを実証実験しています。

そういう一本ずつの試験とは別に、去年12月に、西安の駅で41本(のコンテナ)を連ねた「日通ブロックトレーン」の実証試験が行われました。西安からアラシャンコウ(阿拉山口)経由でデュイスブルクまでに15日間で到着しました。

こうした試験の実施を受け、去年10月から今年3月までに上海、デュッセルドルフと東京でそれぞれシンポジウムが開かれました。

ーーどのような手ごたえがありましたか。

我々が実際にやっていますので、お客様に対する受け答えや説得力がありました。課題もあるが大きなメリットもありました。そういう実際の話をすると、日本のお客様、欧州のお客様からの引き合いに対するタイムリーな回答が可能になり、すぐにトライアルをしたいというお客様も増えているのが現状です。

ーー「ブロックトレーン」という輸送方式に対して、どのように議論されていましたか。

参加者は皆、相当興味をもっています。まずは、コンテナ一本一本ではなく、大量に輸送ができたこと。そして、スピードも船より速くなる。飛行機にはかないませんが、比較的速くなる。画期的な輸送手段だという認識をきっちり持つことができました。とくに自動車、電気、精密機器、もともと日本通運グループのお客様の中には、国際輸送に関しては、自動車、電気、精密機器が大きな割合を占めています。それもあるのかなと思いました。自動車、電気、精密機器関連のお客様から大きな引き合いをいただきました。欧州側からの引き合いもありました。

◆鉄道輸送がサプライチェーンの主役に?!

ーー「中欧班列」は一帯一路のシンボル的要素もあります。物流企業としてこの構想をどう見ていますか。

「一帯一路」は鉄道だけではありませんが、物流会社の立場としましては、新しいサービスを市場に提供して、お客様に対して航空便・船便という二者択一から、新しい輸送モードとして、三者択一をご提供できるというのは非常にありがたい話です。

また、もう少し細かな話をしますと、中国と欧州の輸送ルートは、沿海部の都市同士なら海上輸送が費用的にもリードタイム的にも良いですが、重慶のような内陸部の都市と大型船が着かない欧州の港や東欧との連結は、リードタイム的には鉄道のほうがずっと早いし、費用は結果的にあまり変わらない。場合によっては安くなるかもしれません。今後、そういった部分では、鉄道輸送がサプライチェーンの主役になっていくということが期待されています。

ーー習近平国家主席が第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの開幕式で行った基調講演の中で、相互連結や鉄道整備の重要性についても言及していましたが、こうした発言をどう受け止めていますか。

二つあると思います。つまり、中国の国内の鉄道網とゲートウェーから欧州あるいは中央アジアを結ぶ鉄道網の二つの面です。

中国と欧州、または中央アジアを結ぶ鉄道網というのは、中国だけの力ではできません。沿線国家の皆様の力が必要です。「一帯一路」によって、中国の利益だけではなく、沿線国家ならびに周辺国家なりが、さらに栄えていくということでもって、インフラを増強する。あるいはトレーシングをもっときちんとする。特に、その帰り便ですね。欧州、中央アジアから中国に来る、あるいはそこを経由して、台湾、韓国、日本というルートを我々は物流会社として、一緒になって構築していきたいなと思っています。

中国国内の鉄道輸送網も期待されていますし、更に沿線諸国の発展と合せて、我々は「一帯一路」に関しては大きな期待をしています。

ーー最後に、物流企業の視点から、「一帯一路」をより豊かなものにしていく上でのご提言をお聞かせください。

本当に切望したいことは一つあります。それは、ポーランドにある積み替えのターミナルであるマラシェビッチの積み替えというのがキーワードなんですね。マラシェビッチというのは、シベリア・ランドブリッジでくるものも、二連浩特、満州里、アラシャンコウ(阿拉山口)、ホルゴスから欧州へ入る場合、全部マラシェビッチ経由なんですよ。

マラシェビッチにおける鉄道の積み替え能力の限界が、いわゆる「中央班列」の限界になるということを非常に危惧しています。「何年か後にはもう処理能力が何倍にもなりますよ」という青写真がきっちり見えるようにして頂けると、我々もお客様に対して、「SCM(サプライチェーン・マネジメント)の主役になれますよ。何も心配いりませんよ。どうぞうちを使ってください」(と言うことができる)。やはり、「一帯一路」の構想をより太くしていく、ボトルネックをなくしていくというのが、我々物流会社の切望していることです。

(聞き手=星和明、文責=王小燕、写真&動画=劉叡)

【プロフィール】

廣田靖(ひろた・やすし)さん

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日本通運株式会社東アジアブロック地域副総括 兼 経営戦略室長

1964年生まれ 1988年に日本通運入社 
1992~99年   珠海勤務 
2004~2008年   上海勤務        
2011~2012年   広州勤務      
2012年~      現在上海勤務  中国駐在歴 累計19年  
国際フォワーディング、倉庫配送、自動車部品輸送の現場を経験。
現在、東アジアの経営戦略部門の責任者  

この番組をお聞きになってのご意見やご感想をぜひお聞かせください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040 中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】もしくは【〒152-8691 東京都目黒郵便局私書箱78号 中国国際放送局東京支局】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

【リンク】
関連番組 【日本が見る「一帯一路」(7)日本通運・廣田副総裁】

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10月29日放送分
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