北京
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第13期全国人民代表大会第2回会議の閉幕会議が15日、北京で行われました。政府活動報告が採択されたほか、ハイレベルの対外開放を推進する「外商投資法」が可決されました。これにより、中国経済が直面する下振れ圧力に対応し、改革開放を推進していくための一連の政策が、近いうちに実施されていくことになります。
閉幕会議後に行われた記者会見で、李克強総理は「いかなる状況になろうとも、中国は今の実情を踏まえ、長期的な視点で見て、経済の安定を維持し、経済の長期的な好転の勢いを保っていく。中国経済は終始、世界経済の安定のための重要な『錨(いかり)』となるであろう」と指摘しました。
今年の全人代開幕会議で発表された「政府活動報告」は、中国は今年の国内総生産(GDP)成長目標を6%から6.5%に据え置くとしました。昨年よりやや減速し、目標区間も拡大されています。これについて李総理は「これは、高い基数と大きな総量に基づく成長である。中国は、引き続き大規模な減税と費用削減政策を実施し、市場参入の基準を引き下げ、公平な競争環境を整えていくことなどで市場の活力を引き出し、経済の下振れ圧力に対応して、質の高い発展を推し進めていく」と述べました。
李総理はまた、「今年、さらなる大規模な減税と費用削減政策を実施していくことは、重大な改革、重要な選択である。政府は日々締め付けを強化して、一般公共予算の支出削減などを進め、企業や国民に利益を与えていく」と指摘しました。
記者会見で李総理は「改革」というキーワードを繰り返し用いて、「中国政府は市場化改革の方向性を堅持し、市場化や法治化の改革の推進を堅持していく」と約束しました。
全国人民代表大会がこの日可決した「外商投資法」は、来年1月1日から実施されます。李総理は「『外商投資法』は、法律という手段で外商投資を保護し、引き寄せる。同時に、政府の行動を規範化していく」としました。
李総理はさらに、「香港、マカオ、台湾からの投資も『外商投資法』に照らし合せることができる。中央政府は関連の法規や政策的な文書を策定する際、香港、マカオ、台湾の同胞らの意見を真摯に聞き取り、彼らの合法的な権益を確実に保護していく」としました。
また、国際社会から注目される中米間の貿易摩擦について、李総理は、「中米関係の前進の勢いに変わりはなく、豊かな成果を収めてきた。それは中米間の共同利益の方が、齟齬をはるかに上回るからだ」と指摘したうえで、「中米間の貿易摩擦は両国間のことである。中国は第三者を利用することはなく、ましてや第三者を損なうことはない」と強調しました。
そのほか、李総理は記者会見の中で、中国とロシアおよび欧州との関係や、中日韓サミット、朝鮮半島問題などについて記者の質問を受け、中国の立場を述べました。(藍、謙)