北京
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怒江リス族自治州は雲南省西北部に位置し、「怒江」という川が全域を流れていることで知られています。同州は中国でリス族が唯一生活している自治州であるほか、トーロン族やヌー族といった民族の居住地でもあります。
同州は全国で最も貧しい地区の一つです。国家が設定したロードマップによりますと、「2020年までに10万人を移住させて貧困から脱出するという任務を成し遂げなければならない」としています。これについて、二期の全国政治協商会議の委員を務め、トーロン族である李友祥委員は「交通などのインフラ施設及び教育の立ち遅れが貧困の原因である」との考えを示しました。
少数民族の貧困脱出は李委員が最も関心を寄せる問題
師範学校を卒業して、長年教師の仕事に携わっている李委員は地元の教育状況について、「調査を行ったときに、少数民族地区における教育資源がいかに乏しいかを痛感した。教師の学歴が低い一方、外部から招聘した大学生を引き留めることができないのが現状だ」と指摘しました。そして、その解決方法について、「可能ならば10年をかけて地元出身の学生を大学に送り出し、卒業後、故郷に戻らせて地元や故郷の振興のために奉仕できるような教育プロジェクトを実施してほしい」と提案しました。
辺境地区の少数民族の貧困脱出を期待
また、辺境地区に生活している少数民族の貧困脱出について、李委員は「スピードだけを求めてはいけない。そして、貧困脱出は移住に頼ってもいけない。怒江貢山県を例に挙げれば、川沿いの土地が限られていて、もともと山奥に住んでいた農家が平地に引っ越すことになった。しかし、土地が無く、生計を立てることができないため、多くの農家が移住を拒否している」と指摘しました。さらに、辺境地区に住んでいる少数民族への貧困扶助については、「産業支援、教育支援、雇用支援、健康医療支援などに力を入れる必要がある。そうしてこそ、該当地区に居住している少数民族は全国民とともに小康社会(いくらかゆとりのある社会)へと歩んでいくことができるだろう」と語りました。(非、星)