北京
PM2.577
23/19
2018年末特別企画 何かが変わったシリーズ
3回目 中国の変化が見えるキーワード・社会編
【佛系青年】(fó xì qīngnián)[名]寡欲な青年.
全てのことについて、どうでもよく、気にもせず、そして何事をも淡泊に捉える生き方やライフスタイルを持つ若者の総称です。
厳密には2017年の年末前後に流行り出した言葉で、必要最低限の要求を満たせば、それ以上には追求しない若者たちを指し、往々にして自分にも相手にも求めるものが淡白な傾向があるとされます。
「佛系青年」は常に自分の趣味趣向やフィーリングを優先して、すべてを自分が好きな方法やマイペースで行いたいと考えており、非常にあっさりとした印象を与えます。人畜無害で、喜怒哀楽の起伏も平坦になっていくのであれば、喧嘩も減ると想像される一方、人と同調することも難しく、付き合いにくいのではないかという想像もできるかも知れません。
恋愛はややこしいので、それには時間を費やしたくない、ガールフレンドがいてもいなくてもいい。この自分の趣味やフィーリング以外の事に対して寡欲になる姿を見ていると、その裏にある原因は何なのかが知りたくなると言うものます。本来好奇心に溢れているべき年代の若者たちのこうした変化は、一体どうして表面化したのでしょうか。
原因は簡単ではなさそうです。
【碎片化】(suìpiànhuà)[名]フラグメンテーション、断片化、多元化.
本来はIT用語で、コンピューターのメモリーの中で、利用しているデータがわずかな未使用領域を挟んで点在していることで、まとまった未使用領域が確保できなくなり、パフォーマンスが低下する状態を指したものでした。普通「デフラグ」という最適化機能や、ディスクユーティリティで解決を試みます。
一方、社会学用語としての「碎片化」もあります。こちらは、まとまった塊の事象について、それをぶつ切りにして、あるところだけを強調したり、面白おかしく脚色するような行為をさします。社会的現実やさまざまな社会的事象というのは、多数の部分が有機的に関連をもって成り立っているものですが、その一部分を切りとり、断片化することで、全く違う結果をひきだすことを意味しています。いわゆる「断章取义」を指したもので、少々意味合いが変わってきます。
この他にも、最近よく耳にする単語に「碎片化时代(断片化された時代)」があります。これは選択肢が増えたことにも関連しているかも知れません。あまりにも世の中の動きが速すぎて、拡散のエネルギーが増しているからです。その中で、「碎片化」は細切れな時間を指す言葉としても使われており、そうした時間を勉学に向けたり、また、そうした日々の少しずつに分散された時間をいかに有効利用するかについての議論が多くネットの空間で展開されています。これは、私たちが「碎片化」の時代に生きている限り、それ相応にライフスタイルを変えなくてはならないことを意味しているようにも思えます。人生の時間も、デフラグできたらどれだけ良いことでしょうか。