北京
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1978年に発足した中国の改革開放。それから40年の間に、中国映画には体制面から制作面まで、様々な変革が起こってきました。この40年の歳月は、中国映画の発展史ともいえるでしょう。その歴史の中で、変革の証として時代の変遷や幾多の盛衰を記してきたのが、「映画ポスター」です。ここで、その色あせることない異彩の数々をご紹介しましょう。
2008年、全国のスクリーン数は4000枚を超え、興行収入1億元台を突破した中国映画は計8本、真の「大作時代」の到来です。この年、初の3D実写映画の登場も大きな話題となりました。それはジュール・ヴェルヌ原作の冒険SF小説を映画化した『センター・オブ・ジ・アース(中国題:致心歴険記)』。当時は最新技術としてもてはやされた立体デジタル撮影装置ですが、今時の映画シーンではもはや当たり前のものとなっていますね。
2009年は新中国建国60周年に当たり、歴史や戦争を題材にした様々な記念作品が制作されました。そんな中、史上最も豪華なオールスターキャスト陣を結集した『The Founding of A Republic』が記録的なヒットとなりました。いわゆる「主旋律映画(党の指導方針に沿った題材)」の商業化モデルを初めて成功させた例としても挙げられる一作です。
2009年には、ハリウッドの3D大作も相次いで登場し、3D映画ブームが中国を席巻。そんな中、1位の座に君臨したのは、古代マヤ人が2012年の冬至ごろに訪れると予想した人類滅亡説をモチーフに制作されたパニック映画『2012』でした。
2010年の初めに「IMAX 3D」の魅力を全世界に見せ付け「視覚革命」を巻き起こした『アバター(中国題:阿凡達)』が中国にも上陸。当時、北京にはIMAXを備えた映画館はわずか3店舗だったため、この作品をIMAXで鑑賞するために連日長蛇の列ができるほどの人気ぶりで、チケットは発売から30分で完売したという一般の映画館も少なくありませんでした。
13億元超の成績をたたき出した『アバター』を含め、2010年に公開された映画作品の年間総興行は初めて100億元を突破。さらに、馮小剛(フォン・シャオガン)監督の『狙った恋の落とし方。2(非誠勿擾2)』の大ヒットにより、その映画の舞台となった北海道への観光ブームが生み出されたことは、日本でも注目を浴びました。
2011年には、低予算で制作された国産ラブコメというジャンルが空前のヒットを飛ばします。その代表的な作品といえば、現代の若者の恋愛感を繊細かつユーモアたっぷりに描いた『失恋33天(Love is Not Blind)』でしょう。1000万元足らずの予算で制作されたこの作品は、わずか1週間で興行収入2億元を突破しました。
2012年は中国映画にとって重要なターニングポイントでした。年末の統計で、年間の映画総興行収入が初めて日本を超え、世界第2の映画市場となったのです。その成長を代表する作品としては、年間1位となった『人再囧途之泰囧(Lost in Thailand)』が挙げられます。同作は中国映画史上、10億元を突破した初めての作品となりました。
(ミン・イヒョウ、謙)