北京
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キーワード①
【蓝色经济】(lánsè jīngjì)[名]ブルー・エコノミー.
狭義では海洋を利用した経済開発を指し、広義では循環型経済を指す言葉です。このコンセプトには、海洋資源の開発と海洋スペースで行う生産活動、そして、海洋資源及び海洋スペースの開発に直接或いは間接的な関連をもつサービス産業が全て含まれます。
つまり、海洋関連のビジネスから資源や環境の保護まで全部が含まれるわけですが、そ子には水力発電だったり、観光業だったり、漁業だったり、海運だったり、CO2を海水が吸収することによる気候変動対策だったり、海のゴミ管理だったりと、非常に多くの業態が含まれています。これら全ては「海洋資源による持続可能な経済発展」を考えてのものです。
国際的には、2001年、国連の公式文書で初めて「21世紀は海洋の世紀だ」という文言が登場しています。それは海洋産業の総生産高は世界GDPの4%前後を占めているためで、その中でも、石油工業、観光業、漁業、海上運輸業が四大海洋産業にあげられています。また、これまでは世界60%の人口が海岸から100キロ離れたゾーンに住んでいたのですが、2020年には、世界四分の一の人口が沿海地域に住むようになるという予測も出ており、ますますこの「ブルーエコノミー」を考えることが重要になってきています。
中国では、海洋開発の歴史は長いものの、経済活動は漁業に集中していました。2000年以降になると、海上交通運輸、船舶工業、海塩業、海洋石油天然ガス、臨海観光などの業界が成長してきました。その流れの中で、2009年、胡錦濤前国家主席が山東省を視察した際に、山東半島の「蓝色经济区」(ブルーエコノミーゾーン)の建設を提案しました。そして、2011年に『山東半島ブルーエコノミーゾーン発展計画』が政府によって批准されてからは、山東半島ブルーエコノミーゾーンの建設プロジェクトは国家戦略のレベルにまで引き上げられました。このゾーンの中心である青島市では、東部沿海地域の経済、近代化サービス、文化の中心地として建設が行われるほか、国家海洋科学研究及び海洋産業開発の中心地、国家近代化製造業及びハイテク産業基地、北東アジア国際水上運輸の中心地として、地域の代表性のある空港を擁する観光レジャーリゾート地を形作っていくことが予定されています。
キーワード②
【白色农业】(báisè nóngyè)[名]微生物農法.
これは微生物の特性を生かした農法を言ったものです。タンパク質工学、細胞工学、酵素工学などを基礎に、遺伝子工学を応用した工学的な農業の形態を指します。これにはハイテクバイオテクノロジーのである発酵工学と酵素工学の概念が含まれています。このような農業生産は極めて清潔で、生産過程にも汚染がなく、製品も安全で毒性や副作用がないとされます。更に、働く人が白い服を着ることから、「白色农业」と呼ばれるようになったとされます。
この「白色农业」の言い方は実は中国で生まれた言い方で、日本語には直接入っていません。中国は農業大国ですが、近年では人口の増加、環境の悪化、資源の欠乏など、深刻な問題に直面しています。こうした環境の変化の中で、1986年には、中国の学者が「三色农业(三色の農業)」、「绿色农业(グリーン農業)」(伝統的な植物栽培)、「白色农业(白色農業)」(微生物農業)、「蓝色农业(ブルー農業)」(海洋水生農業)の3つ概念を提唱、一般にも認知が高まりました。
大規模農業では難しい手法ですが、有機野菜などが消費者にもてはやされる今日、こうした試みの広がりが期待されます。