北京
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国際交流基金アジアセンターとTIFF(東京国際映画祭)による映画交流事業の新たな試みである、アジア・オムニバス映画制作シリーズ「アジア三面鏡」の第2弾が、今年10月25日から11月3日にかけて開催される第31回東京国際映画祭でワールドプレミア上映される予定です。
「アジア三面鏡」とは、日本を含むアジアの気鋭の監督3人が、ひとつのテーマをめぐりオムニバス映画を共同制作するプロジェクトで、アジアに生きる人々を3人がそれぞれの視点から描くことで、それぞれの社会や文化を三面鏡のように映し出し、相互理解を深めると同時に、アジア人としてのアイデンティティや生き方を模索するきっかけとすることを目指しています。
アジア三面鏡2016:リフレクションズ
同プロジェクトの第1弾作品『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』には、行定勲監督(日本)、ブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)、ソト・クォーリーカー監督(カンボジア)が参加し、「アジアで共に生きる」というテーマのもと、様々な国のスタッフ・キャストが結集し、日本とカンボジア、フィリピン、マレーシアの各国間を行きかう人々の生きる姿を映し出しました。
今年公開予定のプロジェクト第2弾となる作品は「旅」をテーマに「アジア三面鏡 2018:Journey」と題し、松永大司監督(日本)による『碧朱(へきしゅ)』、エドウィン監督(インドネシア)による『第三の変数』とデグナー(徳格娜)監督(中国)による『海』の3短編で構成されます。
『海』スチール写真
デグナー監督は1984年生まれの内蒙古出身の女性監督。初長編監督作の『老哨卡(Latitude 52)』(2012)はモントリオール世界映画祭にノミネートされ、続く『告別(A Simple Goodbye)』(2015)は、第28回東京国際映画祭「アジアの未来」部門にて国際交流基金アジアセンター特別賞を受賞。今回の『海』は、中国の北京から海を目指す旅を続ける2人の母娘の姿から、親子の問題や中国特有の人間関係が浮き彫りになっていくロードムービーで、主演は張芸謀(チャン・イーモウ)作品『王妃の紋章(原題:満城尽帯黄金甲)』(2006)の陳瑾(チェン・ジン)と『私たち(原題:我們倆)』(2005)の宮哲(ゴン・チェ)です。
デグナー(徳格娜)監督 陳瑾(チェン・ジン) 宮哲(ゴン・チェ)
「アジア三面鏡 2018:Journey」は、第31回東京国際映画祭でワールドプレミアを実施した後、11月9日から15日に東京・新宿ピカデリーほかで劇場公開されるほか、シリーズ第1弾「アジア三面鏡 2016:リフレクションズ」も、10月12日から18日にかけて新宿ピカデリーほかで一般公開されることになります。(ミン・イヒョウ 謙)