北京
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【CRIさくら探検隊】から
北京一の桜の名所・玉淵潭公園。3月23日から4月14日までの期間、今年で28回目の開催となった桜祭りには、延べ200万人もの花見客が訪れました。
今や北京では春の風物詩として定着した玉淵潭公園の花見。ここに最初の桜の木が植えられたのは1973年でした。前年秋の中日国交正常化を記念するため、当時の田中角栄首相が日本から大山桜の苗木1200本を中国に贈呈しました。苗木は全国各地に分けられ、その中の180本が玉淵潭公園に植えられました。気候も土壌条件も異なる北京の地で桜を栽培し、美しい花を咲かせるまでには、公園側の真摯な姿勢とスタッフ何代にもわたる努力の積み重ねがありました。
北京・順義にある玉淵潭公園の桜の苗木基地(右)を視察時の許暁波さん(左)
許暁波さんは、玉淵潭公園で桜の研究や関連事業を主管されているスタッフです。今年の「さくら便り」の企画では、許さんからの桜リポートをたびたび紹介させて頂きました。本コーナーは、許さんがこれまでに投稿してくれた桜だよりの総まとめです。
1985年に大学の園芸学部を卒業した許さんは、北京植物園での勤務を経て、1992年に玉淵潭公園緑化科に異動。園内の大山桜の生長状況の調査を行い、それを踏まえた上での管理方法の改善を提言しました。2000年からは同公園の桜関連業務の主管となり、ソメイヨシノの大量導入を主導して園内の景観作りに貢献しました。現在は育種、苗木栽培、管理、景観の改良や移植など、玉淵潭公園内の桜関連のすべての業務を統括的に管理しています。
そんな許さん、日本語がおできになるわけではないのですが、「SOMEI YOSHINO(ソメイヨシノ)」、「YAE BENI SHIDARE(ヤエベニシダレ)」など、桜の品種名を日本語ですらすら話されることがとても印象的でした。後進の育成にも力を入れており、今年の桜祭りでは公園側は専門家ガイドのチームを結成しましたが、そのメンバーは、いずれも彼女が手塩にかけて育てた後輩です。
桜のシーズン中は休日返上での出勤。その前後は国内外を駆け巡って種苗や栽培技術の情報交流に奔走する。春は許暁波さんと玉淵潭のスタッフにとって、最も忙しい季節です。そんな中で頂いた一本一本の投稿には、許暁波さんの桜への深い愛情が感じられます。
今年のシーズンが終わりました。「まだ、語りつくせないたくさんの物語がある」と残念そうな許暁波さん。積もる話の続きは、来年の桜のシーズンまでの楽しみにしたいと思います。
許暁波さん、そして、中日の友好のシンボルの桜の花を一生懸命に育ててくれたすべての関係者の皆さん、どうもありがとうございます。
また来春、お会いしましょう!♪
2016年・暁波さんの花便りから抜粋、いずれも玉淵潭公園内で撮影
大山桜
枝垂れ
ソメイヨシノ
湖に映るソメイヨシノ
江戸彼岸
アメリカ
八重紅枝垂れ