No.058 キーワードチャイナ 容错机制&本土化

2018-08-08 15:36  CRI

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キーワード①

 【容错机制】(róngcuò jīzhì)[名]フォールトトレラントシステム.

3

 そもそもはIT用語で、構成部品の一部が故障しても正常に処理を行い続けるシステムのことを指したものです。また、あるシステムについて、起こりうる誤作動や誤操作などの障害に対する耐性のことを指して言ったものです。また、この耐性を向上させるために、事前対策を行おうとする設計や、その考え方のことも指しています。

 ですが最近、この言葉はIT業界の枠を超えて、組織マネジメントの分野でも使われるようになっているようです。漢字や中国語の特徴として、既に広く使われている言葉が環境を離れて一人歩きするというものがありますが、これもその一つです。

 この言葉は、李克強首相が今年3月に開かれた第12期全人代第4回会議で行った政府活動報告で使われたことでメジャーになりました。政府活動報告では、「健全激励机制和容错纠错机制,给改革创新者撑腰鼓劲,让广大干部愿干事、敢干事、能干成事(インセンティブに関する制度と過失の容認と修正に関する制度を整備し、改革やイノベーションを実行する人を応援し、広く幹部らにやる気、勇気を与え、成果を上げられるようサポートしなければならない)」と述べました。

 このような体制はやる気のある人々にとって心強いものですが、この中でいう過失、フォルト、ミスについての許容範囲が肝心になります。狭すぎても広すぎても不都合になるからです。試行錯誤を一定の範囲で許容しながら、直ちに修正して行く、そんな仕組みが必要になりますし、実際にものごとを順調に運ばせるためには、内容や範囲によって、この過失容認体制も1級、2級、3級などのレベルに分けることが必要になるでしょう。まさにコンピューターの思考法そのものです。

 改革者やイノベーター、アーリーアダプターという存在は、これまでにない新しいことをする人たちです。要は旧来のモデルを打破する行為ですから、一部の人の既得利益を損なうことは避けられません。やることの価値を疑われたり、ミスを拡大解釈されたりすることも考えられます。そんな中で、ミスを許容する制度がなければ、その改革の決心というのはしぼんでしまいますから、こういう制度は必要なものです。その意味で、「容错机制」というのは、改革者やイノベーターにとっても、管理者にとってもためになる制度です。管理者側も、この制度があることで、寛容な態度で成果を評価することができるようになりますし、プレイヤーも積極的なアプローチが可能になるというものです。

キーワード②

 【本土化】【本地化】(běntǔhuà)[名]ローカライズ、ローカライゼーション、現地化.
日本語のローカライゼーションとローカライズは中国語ではみな、「本土化」もしくは「本地化」と訳されます。ローカライゼーション、ローカライズは一般的にIT用語として使われるものですが、これはソフトウェアやゲーム、アプリなどの商品がその他の国でも利用できるように、多言語化することを指します。また、単なる言語の翻訳だけでなく、言語や文化の特性に沿う形でソフトの機能が追加される場合もあります。

コメント&用例

[例  文]立足中国本土化 不以外来企业自居
[参考訳]中国での現地化に重きを置き 外来企業を気取らない
[出  典]http://news.ifeng.com/a/20180629/58929528_0.shtml

[例  文]《旅行青蛙》中国版开测 架构不变内容本土化
[参考訳]旅かえる中国版のベータバージョン公開 アーキテクチャはそのままにコンテンツをローカライズ
[出  典]http://games.ifeng.com/a/20180504/44981052_0.shtml

[例  文]海派时尚校服发布 本土化新技术成亮点
[参考訳]上海スタイルのファッショナブルな制服を公開 現地化と新技術が目玉に
[出  典]http://sh.people.com.cn/n2/2018/0502/c134768-31526737.html

[例  文]国际化思维本土化运作 稳步拓展中国市场
[参考訳]国際的思考と現地式オペレーションで 中国市場をじっくり開拓
[出  典]http://sh.sina.com.cn/life/other/2018-06-25/detail-iheirxyf4262315.shtml

[例  文]解忧杂货店讲了什么故事揭晓 本土化改编获原著作者认同
[参考訳]『ナミヤ雑貨店の奇跡』中国語版のストーリーが明らかに 現地化アレンジが原作者に認められる
[出  典]http://www.shangc.net/news/2017/1226/40208843.html

 この「本土化」については、ちょっと変わった解釈も出ています。一部のネット利用者が、そこそこなものをダサくすることを「本土化」と呼ぶようになっているためです。例えば、映像の字幕を翻訳する場合、わかりやすさを優先して、原文に含まれていた笑いのツボを消してしまったり、海外の芸能人が中国市場に合わせるためにわざとなまった発音で歌ったりすることを「本土化」と呼んでいるのです。郷に入れば郷に従え、とでもいいましょうか。

 インターネットが普及して以来、言葉というのはユーザーの閃き次第でどんどんと新たな使命を与えられるようになっています。今使い慣れている言葉も、今後の10年でどう使われるかは予測もつきませんし、逆にそれを発見することが生活の楽しみの一つにもなってきている感じがしています。皆さんは如何でしょうか。

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10月29日放送分
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王巍