北京
PM2.577
23/19
こんにちは、日本人スタッフの森です。このところ局の組織替えに伴って、わがニュース班の業務も多忙になりつつありますが、そんな中、6月中旬に天安門広場の近くにある鉄道博物館を見学してきました。
この「つぶやき」シリーズで、以前に鉄道博物館見学レポートを掲載しましたが、今回訪れたのは、北京市のまさに中心部で交通至便な場所にある別の博物館です。上記の写真をよく見ると、ドーム状の屋根に沿って「正陽門東駅」と書かれています。そう、実はかつてここに鉄道が走り、駅があったのです。
館内は地下1階~地上3階の構造で、1階は主に中国鉄道の過去からの歩みが展示されています。上写真のようなリアルなSLなどもありますが、忘れてならないのが旧日本軍などによる鉄道開拓史です。
欧米列強や日本軍の中国進出による鉄道への影響が展示されています。上記右の写真は「新京駅」(今の長春駅)の時刻表で、よく見るとすべて日本語で書かれています。
2階は主に現代の鉄道利用に関する展示が並びます。中国の鉄道は長らく貨物列車が主役を務めており、展示内容も様々なタイプの貨車やそれらをけん引する機関車について詳しく述べられています。上記右の写真にある「中欧班列」とは、中国とヨーロッパを結ぶコンテナ車を中心とした貨物便、日本でいうフレートライナーです。巨大な経済圏構想「一帯一路」の進展に伴って大幅に増便されている、との説明が添えられています。(余談ですが中国語の「貨車」は主に自動車のトラックのこと)
そして、今や中国鉄道のエース格に成長した「高鉄」の模型が並びます。新幹線の建設がやや頭打ち状態となっている日本とはきわめて対照的に、ものすごい勢いで建設が進み、本数も急増し、スピードアップが進んでいます。上記の写真はともに「和諧号」で、左の車両は350km/hの最高速タイプ、右はややスピードの遅い「動車組」と呼ばれているタイプで、寝台車両を備えたものもあります。
地下1階には、それらの「高鉄」が発着する各地方の中心駅のジオラマが展示されています。ホームの数が30番線近くある巨大な構造であるものばかりですが、市街地から大きく外れて立地している駅もあり、再開発やアクセスなどが問題となっているケースもあります。
そして最後におまけ画像を。
なぜか路面電車が。これは博物館とは関係ないもので、地下鉄2号線「前門」駅のすぐ近くから、観光用として目抜き通りを南北にゆっくりと走っています。軒を連ねる商店とともにレトロ感たっぷりなので、ぜひ体験してみて下さい。(森 雅継)