北京
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1時間目 「FIFAワールドカップ2018」14日から開幕、中国の消費者合作社活動の現場から(上)
担当:王小燕、斉鵬
「旬な話題」ではこの14日に開幕する「FIFAワールドカップ2018」関連のトピックスです。サッカーのFIFAワールドカップ2018がいよいよ14日(木曜日)に開幕します。ロシアはもちろん、東欧での開催も初めてとなります。4年に1度のビッグイベントだけに、世界中から注目されています。日本語部では斉鵬アナがサッカーファンとして知られていますが、斉アナがお薦めの注目点は何でしょうか。W杯関連の習近平国家主席、プーチン露大統領の言葉も併せてご紹介します。
「スペシャル・バスケット」は中国における消費生活協同組合(コープ)(中国語「消費者合作社」)の動きをめぐり、6月4日、清華大学で開かれた講演会と座談会で取材してきました。
近年、中国では、地球環境や自然保護、そして、自らの健康のために、安全な食品、エコな暮らしを求めて、日本でいう「産地直送」「地産地消」などの動きが大変活発になっています。この中、農場や生産者が直に手掛けている場合もあれば、協同組合のような「合作社」を立ち上げて運営する場合や、主婦や子どものいるお母さんが中心となって、ボランティアたちが自力で運営している場合もあります。
6月4日、清華大学で開かれた交流・討論会は、こうした動きを背景に、同大学中国人類学民族学研究会発展人類学専門委員会と清華大学・北京大学の関係者が中心となって作られた「清北消費合作社(TP-COOP)」の共同主催によるものでした。午前中は、日本の岩手県生活協同組合連動会の加藤善正元会長による講演会で、テーマは「日本における生協の歩みと中国への啓発」。午後は、「清北消費合作社(TP-COOP)」の代表金海蘭さんと仲間たちが提案した、合作社同士の連携を強めるための「生産、消費協同組合同盟」の設立提案に対するディスカッションが行われました。
中国の消費の現場で、今、一体どのようなことが起きているのでしょうか。参加者にマイクを向けてみました。
2時間目 映画は大衆のためにある~映画史家・四方田犬彦さんに聞く(下)
聞き手:王小燕
比較文学者で、映画史家の四方田犬彦さんに引き続きお話を伺います。先週の番組では、四方田さんに子ども時代の映画鑑賞体験、中国の第五世代監督の映画との出会い、一帯一路のスタート地点である西安での見聞、そして、『日本映画史110年』など一連の映画史著書の執筆によせた思いを話してくれました。
今週は四方田さんがとらえている映画の本質、映画が面白くなる一押しの鑑賞法などをめぐって引き続きお話を伺います。
外国映画を見る時、芸術性の高い映画より注目されている傾向に対して、四方田さんは「その社会の外側に出ることないが、その内側で皆が共感している映画というものがある。それは監督とか作家の映画ではなくて、俳優の映画です。ただ、芸術的な作家の映画は世界中に見ることができますが、ローカルな、国内の映画はその国の中でしかみることができない」と指摘しています。「一般大衆に良く見られている映画、民衆のための映画もまた、その国の映画の一つである、そのことを忘れないで欲しい」と強調していた理由とは?詳しくはインタビューをお聞きください。
【プロフィール】
四方田 犬彦(よもた いぬひこ)さん
比較文学者、映画史家。
専攻は比較文学、映画史、漫画論、記号学。
1953年大阪府箕面生まれ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を学ぶ。エッセイスト、批評家、詩人。文学、映画を中心に、多岐にわたる今日の文化現象を論じる。明治学院大学、コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学、中央大学(ソウル)、清華大学(台湾)などで、映画史と日本文化論の教鞭をとった。
著書は140冊に及び、この中の4冊が中国で翻訳出版。うち、『映画史への招待』でサントリー学芸賞を、『モロッコ流謫』で伊藤整文学賞を、『翻訳と雑神』『日本のマラーノ文学』で桑原武夫学芸賞を、『ルイス・ブニュエル』で芸術選奨文部科学大臣賞を受けた。詩集に『人生の乞食』『わが煉獄』が、訳書に『パゾリーニ詩集』他がある。