ソフトウェア大手のマイクロソフトは4日、価格について合意できなかったため、インターネットサービス大手ヤフーの買収を断念すると発表しました。IT業界史上で最大級の企業買収は、成就しないまま幕を閉じることとなりました。
マイクロソフトのバルマー最高経営責任者(CEO)は、ヤフーの創業者ジェリー・ヤン氏に送った書簡で、「マイクロソフトは買収額を当初の446億ドルから475億ドルまで引き上げたが、ヤフーは530億ドルを求めた。価格が折り合わず、買収提案は撤回する」と述べています。
今回の買収は、マイクロソフトがヤフーを傘下に納めることでインターネット検索エンジン最大手のグーグルに対抗する狙いがあるといわれています。ネット広告や検索分野でグーグルが48%のシェアを占めているのに対し、マイクロソフトとヤフーはそれぞれ11%と27.5%しか獲得していません。ヤフーを買収できれば、マイクロソフトは、グーグルとの差を大きく縮めることになります。
一方、業界では、マイクロソフトが買収を撤回したことは賢明だとの見方があります。今後、ヤフーの株価が大幅に下落する可能性があり、それによってマイクロソフトが低価格で買収することができるというのです。
また、マイクロソフトは、ヤフーの買収に用意した資金を利用して他のIT企業を買うとも言われています。マイクロソフトのバルマー氏は、「ヤフーを買わなくても、ネット広告分野で実力を高めることができる」と述べています。(翻訳:鵬)
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