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2008年の新年を迎え、キプロスとマルタが、ユーロを導入しました。これで、ユーロ圏は15ヶ国に拡大しました。加盟国の経済発展状況に差があることから、ユーロ圏の貨幣政策に今後変化をもたらすと見られています。
ユーロが使用されてから9年間で、27の加盟国を擁するEU・欧州連合では、半数の加盟国がユーロを使用しています。現在、ユーロ圏は、3億1800万人の人口と、GDP・国内総生産の総額が8兆ユーロに達する単一通貨地域になっています。現在、ユーロ圏の経済発展はアメリカに近づいています。2006年のアメリカのGDPは、13.2兆ドル、現在のレートで換算すれば9兆ユーロに当たります。一方、EUのGDP総額は、11.6兆ユーロに上り、そのうち4分の3は、ユーロ圏が実現したものです。専門家たちは、2007年のアメリカの経済成長率は、サブプライム・ローン危機の影響をうけたことから、ヨーロッパより低いと予測しました。
ユーロ圏の経済が大きな進展を遂げているにもかかわらず、ユーロ圏の拡大、とくに経済的に立ち遅れた国がユーロ圏に加入するにつれて、加盟国の経済的な格差が、ユーロ圏の貨幣政策を難しくすると分析する専門家もいます。
キプロスの人口は、わずか77万9000人で、GDPはユーロ圏の経済総量の0.17%に当たります。マルタの人口はわずか41万人で、GDPはユーロ圏の0.06%にすぎません。これらの数字から見れば、キプロスとマルタの加入は、ユーロ圏の経済の強化につながるとは言えません。
ユーロ圏の貨幣政策を策定する欧州中央銀行は、EUや各国政府から独立して、各加盟国を平等に扱います。各国の貨幣政策に食い違いが存在する上、キプロスとマルタの新たな加入は、ユーロ圏の貨幣政策に変化をもたらすとされています。
フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどの南部の国々は、ユーロの値上がりが輸出に影響するのを恐れるとともに、自国の不動産市場の発展を刺激するため、欧州中央銀行は貨幣政策を緩和し、金利の上昇を抑えるべきだと主張します。フランスは、欧州中央銀行の独立性について批判までしました。しかし、こうした措置は、ユーロ圏最大の経済体であるドイツの抵抗を招きました。従来から、欧州中央銀行は、物価の安定を主要任務とし、インフレが過熱したとき金利を上げるなどの措置を講じます。これは、輸出が好調なドイツにとって、わるい影響を与えていません。このように、南北の利益が衝突している局面で、キプロスとマルタの加入したことは、南部の国々とドイツとの対抗に影響が出てくるはずです。
東ヨーロッパの中部の国が次々に加入するにつれて、これらの国々は、経済を発展させる理由から、金利が上昇するのを望みません。欧州中央銀行がインフレに対処するために取る強硬な立場は、ユーロ圏の拡大とともに、緩むことも考えられます。(翻訳:李軼豪)
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