第12回スペシャルオリンピックス夏季大会が2日、中国の上海で開幕しました。胡錦涛国家主席が開幕式に出席し、その開幕を宣言しました。
心臓の鼓動を象徴したドラムが流れる中で、その開幕式が始まりました。一人の知的障害のあるドラマーがほかの3000人以上のドラマーをリードし、調和と寛容というスペシャルオリンピックスの精神を表したプレリュード・「一つとなった鼓動」を演奏しました。
この開幕式では、世界的に有名な作曲家とコンダクターの譚盾さん、有名なチェロリストの馬友友さん、ピアニストのロウロウさんなどが素晴らしいパフォーマンスを披露しました。そしてアイスランドのグリムソン大統領、フィリピンのアロヨ大統領、アメリカのアーノルド・シュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事やNBAのヒューストン・ロケッツに所属するヤオ・ミン(Yao Ming)選手など、各国の政治界、芸能界とスポーツ界の著名人がこの開幕式に出席しました。
世界スペシャルオリンピックスは、知的障害のある人のためのスポーツ大会で、世界中の知的障害者の祝日でもあります。世界の160以上の国と地域から来た1万人以上の選手と監督が今回の大会に参加しています。そして10日間にわたる大会では、21の競技種目のほか、4つのデモンストレーション種目が行われます。
ところで、アジアでスペシャルオリンピックスが開催されるのは今回が初めてで、発展途上国の主催による大会も今回が初めてです。中国政府は今大会を非常に重視し、胡錦涛国家主席が開幕式に参加し、大会の開幕を宣言しました。
「私は、2007年スペシャルオリンピックス夏季世界大会の開幕を宣言します」
いま、世界には1億7000万人以上の知的障害者がおり、総人口の3%を占めています。スペシャルオリンピックスはこれらの人たちにスポーツ・トレーニングと競技会に参加するチャンスを提供し、彼らの潜在力、能力と技術を掘り起こすこっとにより、彼らがその家族や他のアスリートと喜びを分かち合い、友情を深めることを目指しています。また、世界中のスペシャルオリンピックスに参加できる選手が225万人もいます。これについてスペシャルオリンピックス国際本部のシュライバー会長は、「スペシャルオリンピックスを支えている人々は、堅持すれば、勝利を勝ち取れると信じ、また、人類を信じている。スペシャルオリンピックスはほかでもなく、我々自身のための大会だ」と話していました
上海市は2002年にスペシャルオリンピックス夏季世界大会の誘致に成功した後、さまざまな準備作業を進めてきました。その中には、34ヶ所の競技場の改造、身障者のための施設改造、4万人のボランティア募集などが盛り込まれています。大会期間中、1877世帯の上海市民がホームスティー計画に参加し、スペシャルオリンピックスに参加する各国の選手たちを自分の家に招待します。上海市の韓正市長は、「この大会のため上海市は全力を挙げて、上海と中国のスペシャルオリンピックス事業の発展を推し進めていく」とした上で、「2007年スペシャルオリンピックス夏季世界大会を主催することは光栄のある使命だと思う。大会は人類の尊厳と友情を示すもので、各国の人々が互いに理解と友情を深める場所だと信じている。私たちはこの大家族の暖かさを感じながら、人類の文明に新しい1ページを添えていく決意だ」と語っていました。
グラミー賞の27部門賞を受賞したことのあるアメリカのミュージシャン・ジョーンズ氏が作ったテーマ・ソング「I know I can」の歌声が流れる中で、開幕式は順調に終わりました。
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