パキスタンのアジズ首相は10日、北部の都市・ラワルコト で「パキスタン政府は利用できる資源すべてを持って建国以来最も深刻な大地震に対応する。現在、パキスタンの各政府部門は被災地の救援活動に全力を尽くしている」とした上で、「被災地の道路修復に伴い、救援行動は速くなっている」と表明しました。
パキスタン北部の山間地区の地形は険しく、この地区の道路は麻痺状態に陥り、空輸以外に、救援物資をこの地区に輸送することができません。地元の住民は徒歩で近くの救援センターへ救援物資を取りに行くか、まだ地震や地滑りの恐れがある居住地で救援を待つか、状況は非常に深刻です。ナラン地区のパキスタン軍の高官の話によりますと、北部地区の道路開通作業は少なくとも6ヶ月間かかる。多くの被災住民はヘリコプターの救援を待つよりほかはない」と明らかにしました。
パキスタンのマスコミによりますと、パキスタンのスルタン少将は10日「パキスタン軍側はすでに主要な被災地を結ぶ幹線道路を開通させ、地元の救援作業を大いに進展させた」と述べました。またパキスタン空軍も、「大規模な救援物資輸送活動を繰り広げている」と語りました。パキスタン空軍機は被災地にテント、毛布、寝袋、飲用水、食品それに医薬品などの救済物資を絶えまなく輸送しています。アフガニスタンのマスコミによりますと、「アフガニスタン駐留の国際治安支援部隊はパキスタンの救援活動を支援するため、ヘリコプター8機を派遣した」とのことです。
これと同時に、パキスタン社会各界は被災地に援助の手を差し伸べています。パキスタン南部の大都市・カラチのジェンナー病院の医者と学生は被災地に20万ドルを寄付しました。また、パキスタン鉄道会社はカラチで特別輸送センターを設け、被災地に援助物資を引き続き輸送しています。このほか、パキスタンの新聞、ラジオ、テレビもそれぞれ救援ホットラインを設け、政府関係部門の救援活動を支援しています。
現在、中国、インド、アメリカ、イギリス、ロシア、日本、スペイン、マレーシア、トルコ、フランス、アラブ首長国連邦それに世界銀行を含む非政府機関などがそれぞれパキスタンに救援部隊を派遣し、救済物資と寄付金を提供しました。
アジズ首相は10日、主要な被災地・ラワルコトに赴き、地元の救援活動を視察しました。アジズ首相はその際、「現在の地震による死亡者数は2万人を超え、この数がさらに増加する恐れもあるが、社会各界は救援活動に全力を尽くしている」と表明しました。
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