エジプトシナイ半島紅海沿岸の高級リゾート地シャルムエルシェイクでは23日未明、3件の同時爆破テロが起きました。現在、少なくとも83人が死亡し、200人余りが負傷しました。死傷者のうち、大勢の人が当地で休暇を楽しんでいたヨーロッパとアラブ諸国からの観光客です。これはここ10数年間エジプトで起きた外国観光客を標的とした最悪のテロ爆破事件で、国際社会は相次いでこれを厳しく非難しています。
エジプト南シナイ州知事事務局がその後発表した声明によりますと、ガザーラ・ガーデンズ・ホテルとオールドマーケットのお土産市場で起きた二件の爆破事件は自動車爆弾によるもので、駐車場での爆発はダイナマイトによる可能性があるとしています。爆破事件が発生した後、エジプトの治安部隊は直ちに現場を封鎖すると共に、シナイ半島道路への安全検査も強化しました。また、一つのハイレベルの安全グループもシャルムエルシェイクに赴き、この同時自爆テロに対して調査を始めました。
エジプト警察側によりますと、現在まで、三件の爆破事件により、あわせて83人が死亡しており、その内、ほとんどの人は観光地の従業員と勤務中の警察だということです。このほか、遭難者のうち、少なくとも28人の海外観光客が含まれています。たくさんの遭難者の遺体がひどく焼かれたため、身元確認はまだ完全に行われていません。また、200人を超える負傷者のうち、重傷を負った人が多く、今後も死亡者数が引き続き増えていくと見られています。
エジプトのムバラク大統領は自爆テロが発生後現地を視察し、「エジプトはテロリズムの圧力に絶対に屈服しない。当日の自爆テロによって、エジプト人民はテロリズムを断固として取り締まり、その基礎を打ち破る決心を強めた」と述べました。
エジプトのアドリ内相は当日の記者会見で、「現在、シャルムエルシェイクの同時自爆テロが最近イギリスの首都ロンドンで発生した同時爆破テロとかかわりを持つ手がかりはないが、去年シナイ半島のタバ爆発事件と関与している可能性があると分かった。当日、『アルカーイダ』系組織「アブドラ・アツザム旅団」を名乗る武装グループが、インターネットを通じて当日の同時爆破テロについて犯行声明を出し、『イラク、アフガニスタン、パレスチナとロシアのチェチンで死んでしまったイスラム教徒のための復讐』とした。このグループは去年のタバ爆発事件に参与した」と述べました。
犯行声明の真偽が現在尚不明ですが、エジプト政府はすでに一連の安全保護措置をとり、このような事件の再度の発生を防止しています。国際社会も一般の住民を標的としたこの爆破事件を厳しく非難しています。国連のアナン事務総長やロシアのプーチン大統領、欧州委員会のバローゾ委員長など国際組織や国の指導者たちは相次いで、エジプト政府と人民を支持し、全世界は協力してテロリズムを取り締まるべきだとの姿勢を表明しました。
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