半年近くの平静を経て、パレスチナとイスラエル情勢はこのほど急に悪化してきました。イスラエルは頻りにパレスチナ武装勢力に暗殺作戦を行うと共に、ガザ地区に大規模な軍事攻撃を発動すると警告することに対して、パレスチナ人は、絶えずユダヤ人入植地とイスラエル南部地区を砲撃しています。

　分析家は「パレスチナとイスラエル情勢が複雑になった主な原因は、双方の平静な情勢を築き上げる基礎が固まっていないことからだ」と見ています。半年前、双方は国際社会の努力と安定を求める流れに推されて、ほぼ安定した情勢を実現しました。しかし、イスラエル政府、パレスチナ自治政府とパレスチナ過激組織の間の固定した矛盾は変わっていません。時間の経過につれ、矛盾は返って激しくなってきました。

　イスラエル政府がパレスチナ過激組織に対して行った打撃は、その一貫した政策です。イスラエル政府はアッバス氏がパレスチナ自治政府の議長に就任した後、協力したいと表明したものの、アッバス議長がパレスチナ過激組織をコントロールできるかどうかについて疑問を持っています。イスラエルの一方的行動計画が起動する期日が近づいてくることにしたがって、イスラエルの一部の指導者は、「一方的行動計画が平静な状況の下で順調に実施され、イスラエルの撤退したガザ地区がパレスチナ過激組織に支配されることを避けるために、イスラエルは必ずパレスチナ過激組織を打撃を与えなければならない」と見ています。

　パレスチナ過激組織がイスラエルを襲撃することについて、分析家は「これは、ただの報復ではなく、パレスチナ過激組織がパレスチナ自治政府の権威に挑戦し、政権を奪う意図を示している」と述べました。

　分析家は「イスラエルのガザ地区撤退が近づいてくることにしたがって、これからのガザ地区の支配権問題及びパレスチナ権力の分配問題は再びパレスチナ各派の前に存在します。アッバス議長をはじめとするパレスチナ自治政府がイスラエルからガザ地区を接収管理すると共に、国際社会の援助の下でガザ地区を再建すれば、その声望は大いに向上し、政治的地位もさらに強固になる。これは、パレスチナ過激組織が見たくないことだ」と語りました。

　分析家は「イスラエルとパレスチナ過激組織が停戦協定を破って、それによる政治と軍事の責任を取る度胸があるか、アッバス議長がパレスチナ国内の情勢をコントロールすることができるかどうかは、現在のパレスチナとイスラエルとの関係や、パレスチナ国内情勢の安定、及びイスラエルの一方的行動計画の実行に重大な影響を与える」と述べました。