イラク国民議会は28日圧倒的多数でジャファリ次期首相が提出した移行政府の閣僚名簿を承認しました。今年1月末イラク選挙が終わって3ヵ月後に、新政府はようやく発足しました。
関係筋によりますと、イラク移行議会275人の議員のうち、185人が当日の会議に出席しており、その内、180人がジャファリ氏が提出した閣僚名簿に信任票を投じました。ジャファリ新内閣は36の閣僚を設けており、4人の副首相と32人の大臣から構成され、その内、7人は女性閣僚です。
イラク移行議会はジャファリ氏が提出した内閣名簿を承認したことは、50年来希望したイラク初の民主政府の誕生を意味するだけではなく、イラク各派が新政府の構成をめぐって数ヶ月間も持続された政治的膠着状態を終結させたことです。これはイラクの政治再建プロセスの重要な一歩を踏み出したことを表し、イラクの安全と安定の回復にプラスとなるに違いありません。
しかし、ジャファリ氏が提出した閣僚名簿はまだ完全なものではなく、組閣交渉が今だ終了していないことから、新政府のスタートには最後の課題が残されています。現在、二人の副首相と5人の閣僚の人選はこれから確認する必要があります。議会が新内閣の閣僚名簿を可決した後、スンニ派はジャファリ氏がその国防と人権大臣のポストへの要求を満足させなかったため、政府への参加を拒否し、すでに提出した閣僚候補者名簿を撤回しました。このほか、議会で40の議席を占めている三番目の政治勢力、アラウィ前移行政府首相が指導する政治連盟がジャファリ氏に新政府の枠組みから排斥されていることも、ジャファリ氏の将来の順調な執政に暗い影を落としています。
次に、ジャファリ氏と団結連盟は濃厚な宗教と親イランの背景があると見られることから、将来の活動はアメリカから色々干渉されるでしょう。アメリカのラムズフェルド国防長官は今月中旬イラクを訪問しましたが、多くのイラク専門家は、ラムズフェルド国防長官のその訪問の目的の一つは、イラク新内閣国防大臣と内務大臣の人選に関与するためだとしています。
第三に、イラクの安全環境は相変わらず改善の兆しが見えず、如何に暴力攻撃を鎮圧するかはジャファリ氏とその政府が直面するもうひとつの難題となっています。
第四に、イラク選挙後、スンニ派やシーア派、クルド人の政治的立場は大きく変わっており、スンニ派は選挙に当選した議員の比率が少ないため、政治活動で排斥されたほか、シーア派とクルド人は権益の分配が均衡でないため、民族や宗派の矛盾は目立つようになり、選挙後のイラクの政治プロセスは3ヶ月も膠着状態に陥りました。
それにしても、イラク新政府の成立はやはりイラク国内と国際社会に歓迎されています。イラク国民は新政府が一日も早く職責を履行し、イラクの政治プロセスの前向きな発展を推進し、イラク人によるイラクの国家管理であたらな一歩を踏み出すことが期待されています。
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