中国全国人民代表大会は14日閉幕しました。温家宝首相は会議閉幕後記者会見し、中国経済発展の見通しや、「反国家分裂法」などについて内外記者の質問に答えました。
中国経済発展の見通しについて記者の質問に答え、温家宝首相は「当面、中国政府が直面する一番目の任務は、経済のマクロ調整を強め、改善することで、経済を安定させ、比較的早い発展を保っていくことである。これまでの二年間に中国経済が過熱の勢いを見せたが、中国政府はマクロ調整を通じて、経済の大きな起伏や物価の高騰を防ぐことが出来た」と述べました。
温家宝首相は「マクロ経済調整は一定の成果を上げたものの、その基盤はまだしっかりとしていない」とし、「中国経済発展の問題は、その根源といえば構造的な問題であり、経済成長の方式の問題と体制の問題である。これらの問題を解決するには時間がかかり、決して努力を惜しんではならない。中国政府は、経済メカニズムの調節と経済の手段を通じて問題を解決していく」と述べました。
人民元為替レートについて質問を受けた際、温家宝首相は「一部の人々は、人民元高を主張しているが、それによってもたらされる問題を分かっていない。中国は責任感のある国で、人民元高や為替レート体制については、自国の利益だけでなく、周辺諸国や世界への影響をも考える」と述べ、為替レートの改革方案をこれからも模索し、より柔軟性のある為替レート政策を実施していくと表明しました。
閉幕したばかりの2005年の全人代年次総会では「反国家分裂法」は高い得票率で採択されました。これについて記者から質問され、温家宝首相は「『反国家分裂法』は、両岸関係を強化し、推し進める法律であり、平和統一を促す法律である。台湾人民を相手としたものでなく、『台湾独立勢力』に反対し、それを抑止するものだ」と強調しました。
温家宝首相は「まず、2300万の台湾の同胞に挨拶を述べる。この法律を制定するのは、2300万の台湾同胞を含む中国人民全体が国の統一と領土の保全を維持し、台湾を中国から切り離すことに反対する願いを表すものである。世界には一つの中国しかなく、台湾同胞はわれわれの同胞であり、台湾の人々がこの法律を制定するに至った考えを理解し、この法律を支持する
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朝日新聞の記者 | よう希望する。同時に、『一つの中国』の原則を堅持し、台湾海峡両岸情勢に関心をもつすべての国々や人々が、この法律を理解し、支持するよう希望する」と述べました。
温家宝首相は「少しでも可能性があれば、中国大陸は、最大の努力を払って、祖国の平和統一を求めていく」と強調し、中国政府が台湾問題解決に当たって従来から堅持している立場、すなわち、台湾問題の解決は中国の内政問題であり、外国の干渉を許さず、中国は外国の干渉を望まないが、それを決して恐れないということです。
温家宝首相はまた中国の農村や農民問題、中国とロシアの関係、中国と日本の関係、中国とインドの関係などについて内外記者の質問に答えました。なお、今日の記者会見には内外の記者700人余りが参加したということです。
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