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(GMT+08:00) 2005-03-11 13:44:28    
3月10日の現場から

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 今日は広西大廈に宿泊している広西チワン族自治区代表団の少数民族代表たちの皆さんにお話を伺いました。農村部、とりわけ、少数民族が多く居住するエリアでの、インフラ整備、義務教育の普及、各種人材の確保、医療施設の増設などが共通した話題でした。各地では数多くの難題を抱えながらも、現状を冷静に見つめ、その中から自分自身に適した貧困脱却の道を模索しているようです。

 この中で、ムーラオ族の徐代表が語った。「工業的思考で農業活動を指導していく」との発言が印象に残りました。

 これまでのように、農産物などをそのまま売るのではなく、加工会社を立ち上げて、付加価値をつけてから市場に流すということです。例えば、サトウキビを原材料とした製糖工場、竹を原材料とした竹の床板工場などです。地元政府は緩和した投資政策で外部からの投資で(広西の場合は、福建省や広東省が多いようです)、これらの省外の資金を誘致して、加工工場を作ってもらいます。そして、地元で影響力の大きいリーディングカンパニーを養成し、地域の発展をひっぱっていくという構想です。

 トン族の梁代表による、地元を物流センター化していくとの発言にも新鮮さを感じました。「物流」という言葉自体が、中国で登場してまだ日が浅いからです。物流センターをはっきりと県の発展目標に入れたことには、昨年、中国ASEAN博覧会が広西で開催され、それをきっかけに、広西と東南アジア諸国とのつながりが緊密になってきたことが背景にあると考えられます。

 代表たちの取材でもう一つ強く感じたことは、国の少数民族扶助政策を肯定したことと、自らの民族文化に強い誇りを持っていたことでした。

1 全国の代表中で唯一のジン族(総人口1万8千人)代表・劉維玲さんは2003年度中国少数民族の優秀青年です。女性と子どもの人権の保護をはじめ、精力的に活動をさせています。ジン族は文字のない民族ですが、04年9月からジン族の学校では、ベトナム語(ジン族はの先祖はベトナムから移住)の授業を始めました。活発化する中国とベトナムとの国境貿易では、数千人規模のジン族が通訳として活躍しているそうです。

2 融水ミャオ族自治県の韋明山代表(ミャオ族)。融水県にはまだ電気のない村もあり、現在、農村部電力網の整備事業を急いでいるところですが、開発の資金不足が悩みの種のようです。ちなみに、農村でメタンガスを利用した燃料施設を一ヶ所建設する場合、1000?1500元かかるのに対し、農民の一人あたりの純収入は1500元未満だそうです。

3 広西チワン族自治州唯一のトン族代表である(全国でのトン族総人口は250万人)、三江トン族自治県からの梁日春代表。精巧な木造建築と混声合唱で知られるトン族は「温厚で、美を愛する民族」だと誇り高く話していました。今後の三江県は民族色豊かな観光資源の開発だけでなく、農産物の加工と地理的な優位性を生かした物流センターの確立に向かって頑張っていくと語りました。

4 全国で唯一ムーラオ族(総人口16万人)代表・徐欽恒さんは羅城ムーラオ族自治県から選ばれた代表です。ムーラオ族は教育を重視する民族で、農村部でも一世帯あたり必ず1人は大学生がいると言われているほど、教育レベルがかなり高いようです。羅城県はムーラオ族、チワン族、漢族を主体とした地域で、徐代表は仕事上共通語のほか、ムーラオ語、チワン語もマスターしているようです。「チワン語は上手ではないが、一応もめごとを仲裁できる程度までマスターしている」と徐代表。指差しているのは、宿泊先である「広西大廈」のロビーに飾られた故郷の景色を映した写真です。「桂林よりも景色が美しいですよ」と自信たっぷりに話していました。

5 ジン族の帽子をかぶらせてもらいました

(全人代取材記者:王小燕)