中国全国人民代表大会の年次総会は7日、三日目に入ります。代表たちは、中国政府の経済社会発展計画の草案や財政予算案を審議しています。この草案は数年前に比べ、マクロ経済政策の内容に大きな変化があります。すなわち、政府は1998年から実施している積極的な財政政策を穏健型の財政政策に変えました。これについて中国社会科学院経済研究所マクロ研究室の責任者・袁綱明氏が「穏健型の財政政策は中国の経済社会の持続的かつ健全で、均衡の取れた発展にプラスとなる」と述べました。
1998年以降、アジア金融危機や内需不足に対応し、中国政府は積極的な財政政策を実施してきました。この政策は中国経済の持続的で健全な発展を促す面で重要な役割を果たしました。中国の投資規模の拡大や社会資本の増加につれて、政府は今年から拡張的な財政政策から適度な穏健型の財政政策へと転換することにしました。
これについて、中国社会科学院経済研究所マクロ研究室の袁綱明氏は「こうした転換は中国経済の発展を緩めることはない」として、「財政予算案の最も大きな変化は、長年実施していた積極的な財政政策から穏健型財政政策への転換にある。すなわち、財政収支の伸び率が大きく縮まり、社会や企業、多くの経営者が自ら支配できる資金が多くなった。こうして、中国経済の活力または経済成長の潜在力がよりよく生かされるだろう」と述べました。
財政予算案によりますと、中国政府は穏健型の財政政策を実施するため、今年の財政赤字を198億元、長期国債の発行を300億元減らします。こうして、財政赤字と国債残高が国内総生産に占める比率は去年より遥かに低くなり、国際的警戒線より一層遠ざかります。こうして、財政政策がさらに健全になり、マクロ調整が強まり、改善されるようになります。
袁綱明氏はさらに「穏健型の財政政策は、政府が国有企業や大型インフラ施設への投資を減らし、一連の目だった社会問題に資金を集中し、経済と社会の均衡の取れた発展という政府の執政理念を表すものである。この構想にしたがって定められた今年の財政資金の投資重点は、農村部への投資や農家への補助金、教育科学技術文化事業への投資、社会保障への投資にある」と述べました。
今年の経済社会発展計画の中で都市部の就業率と農家の収入増加に対する見積もりはいずれも去年の実際の水準を下回っています。これは就業を促し、農家の収入を増やす活動の難しさを十分考えたものだとされます。これについて袁綱明氏は「就業率の目標は比較的に低いが、これは政府が難しさを十分認識したものである。経済のマクロ調整には比較的に大きな余裕はあるが、困難や矛盾もある。たとえば、就職と農家の問題である。去年はいくらか解決されたといったものの、今年はさらに難しくなる」と述べました。
袁綱明氏は「今年の経済社会発展計画の重点は、マクロ調整の強化と改善や、経済発展の大きな起伏の防止、インフラへの投資拡大と失業の抑制にあり、その目的は経済の急速な成長と社会の調和にある」と述べました。
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