温家宝首相は、2005年の活動の全般的配置について、「今年は「第十次五ヵ年計画」の任務を全面的に達成し、「第十一次五ヵ年計画」の発展に向けて基礎をしっかりうち固めるという意味で節目の年となる。政府活動の基本的な考え方は次のようなものである。鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想を導きとして、党の第十六回全国代表大会と十六期三中・四中全会の精神を真剣に貫き、科学的発展観を拠り所として経済と社会の発展の全局を統轄することを堅持し、マクロ規制を強化、改善し、改革開放を原動力として諸般の仕事を推し進め、社会主義の調和のとれた社会を築き上げ、社会主義の物質文明、政治文明及び精神文明がともに進歩するよう推し進めていくことである」と述べ、
国内外の諸要素を総合的に考慮して、今年度の経済・社会発展の主要な所期目標を次のように定める。国内総生産(GDP)の伸び率を八%前後とする。都市部就業者の新規増加数を九〇〇万人とし、都市部の登録失業率を四・六%に抑え、住民消費者物価総水準の伸び幅を四%に抑える。国際収支の基本的なバランスを保つ。
安定した比較的速い経済成長を維持すること、これは政府活動の中でも必ずしっかりととらえるべき重要な課題である。わが国は今まさに重要な戦略的チャンスに恵まれる時期にあることから、わが国の経済は比較的速い発展を遂げるであろうが、経済成長のスピードについても適宜にコントロールしなければならない。景気の過熱や冷え込みはいずれも経済の発展にマイナスであり、改革開放と社会の安定にとってもデメリットである。中央が今年度の経済成長の所期目標を八%前後に定めたのは、所期目標を実際の状況に合わせるためであるとともに、必要とその可能性に配慮し、就業と物価などその他の所期目標の要請をも考慮に入れたためである。社会主義市場経済の条件下において、経済・社会発展の所期目標は指導的なものであり、経済運営の変化に応じて調整することができる。各地域は実際から出発し、実事求是の精神に則って各自の経済・社会発展の所期目標を提出し、仕事の重点を真に経済成長の質と効率の向上に置き、経済成長のスピードを盲目的に他の地域と比べたりしないようにすべきである。
今年の経済・社会発展の諸任務を全面的に遂行するには、その指導と配置において、重点的に以下の三つの方面に力を入れなければならない。一、マクロ規制への取り組みに力を入れること。経済運営における不安定かつ不健全な要素をさらに取り除き、経済構造の調整と成長パターンの転換を推し進め、経済の安定した比較的速い成長を維持し、物価の総体的水準を基本的に安定させる。二、改革開放の推進に力を入れること。改革によって諸般の仕事を推進することを堅持し、改革の深化を科学的発展観の徹底、マクロ規制の強化及び改善と結び付け、改革の方法を用いて発展に影響を及ぼす体制上の問題の解決に力点を置く。対外開放のレベルを全面的に高め、国内外の二つの市場、二つの資源をよりよく利用する。三、調和のとれた社会の構築に力を入れること。民主的法治を進める、公平と正義のある、信義誠実をむねとし友好的に付き合う、活力にあふれた、安定的で秩序だった、人間と自然が仲良く共存する社会主義の調和のとれた社会の建設に取り組み、すべての獲得しうる力を最も幅広く結集させ、すべての積極的要素を最も十分に引き出し、社会全体の創意と活力を引き出す。各方面の利益関係を適切に処理し、すべての人民が改革と建設の成果をともに享受するようにし、改革・発展・安定の関係を正しく処理し、経済と社会の持続的な発展に役立つ条件と良好な環境を作り出さなければならない」としています。
引き続き経済の安定した、比較的速い発展を維持することについて温家宝首相は、第一にマクロ規制の強化と改善を堅持すること:第二に「農業、農村、農民」に関わる仕事をよりいっそう強化すること:第三に経済構造調整と成長パターンの転換を急ぐこと:第四に地域間のバランスのとれた発展を積極的に促進することを強調しました。
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