今年、中国の最高国家権力機関?全国人民代表大会は例年と同じくこの5日から年次総会が開かれることになっています。これは中国人民の政治生活で大きな出来事です。
中国では国の一切の権利は人民が所有し、人民が国家権利を行使する機構は全国人民代表大会と地方の各級人民代表大会です。全国と地方の人民代表大会はいずれも民主的選挙によって選ばれたもので、人民に対して責任を持つと同時に、人民の監督も受けます。そして、中国の各級の行政、審判、検察機関は各級の人民代表大会で選出されたものであることから、人民代表大会に責任をもち、その監督も受けます。中国では、全国人民代表大会は国の最高権力機関であり、地方の各級人民代表大会は地方の国家権力機関です。
全国人民代表大会は省、自治区、直轄市、特別行政区それに軍隊から選出された代表からなるもので、各少数民族も適当な人数の代表を送っています。全国人民代表大会は任期が五年で、毎年一回総会を行います。全国人民代表大会年次総会では、代表たちは首相の政府活動報告や最高人民裁判所と最高人民検察院の活動報告、国民経済と社会発展計画及び計画執行情況の報告、それに国の予算及び予算執行情況の報告を聴取することになります。代表たちはこれらの報告を審議する上で、関係決議を行います。大会の閉会期間中、全国人民代表大会の常設機関?全人代常務委員会によって国の最高権利が行使され、その内、憲法の解釈、憲法実施の監督、全人代が制定した法律以外の法律の制定と改正などが含まれています。
国の最高権力機関として、全国人民代表大会は立法権、監督権、重要事項の決定権と人事任免権などの職権をもっています。1954年第一回全国人民代表大会が開かれて以来、すでに400部余りの法律が誕生しました。現在、中国の特色ある法律システムはすでに初歩的に形成されました。立法権のほか、憲法と法律の実施や政府及び最高人民裁判所と最高人民検察院の活動を監督することも、全人代及びその常務委員会の職責です。これと同時に、全国人民代表大会はまた戦争と平和の問題を決定する権利を持っており、その常務委員会も中国と外国との条約締結など重要な問題の決定権を持っています。このほか、全国人民代表大会のもう一つの重要な職権は人事任免権です。最高国家機関の指導者である全人代常務委員会のメンバー、国家主席、副主席、国務院首相と他のメンバーの人選、中央軍事委員会の主席及び他の組織メンバー、それに、最高人民裁判所の裁判官と最高人民検察院の院長がいずれも全国人民代表大会によって選出されたものです。
この5日から15日まで北京で開かれる全人代年次総会は第十回全国人民代表大会の第三回会議です。この会議では、代表たちは慣例により温家宝首相の政府活動報告や国家計画と中央予算報告を審議するほか、『反国家分裂法の(草案)』を審議すると共に、中央軍事委員会の新しい主席を選出することになっています。今回の会議で、代表たちが一番注目している問題は国の農業、農村と農民問題に対する政策や国有資産の管理と国有企業改革、バランスのとれた地域発展、就職、再就職と社会保障システムの建設、環境保全とエコロジーの建設、及び、反汚職と清廉な政治に取り組むなどのことです。
|