年に1回の中国人民政治協商会議全体会議が3日、北京で開幕しました。全国政治協商会議の賈慶林議長は「中国人民政治協商会議はこれからの新しい一年で、社会主義の調和の取れたた社会を建設するために貢献し、中国の第11次五ヵ年計画と2020年の長期目標の制定に対して意見を出す必要がある」と指摘しました。

　中国人民政治協商会議とは中国の多党協力と政治協商の重要な機構であり、中国政治の中で重要な地位を持っています。この政治協商会議は中国共産党、各民主党派、人民団体、社会各界の人々から構成される組織であり、政治協商、民主監督、政治参加、政策討議の職務を履行し、毎年3月に全体会議を開きます。この3日に開幕した会議で、全国政治協商会議の賈慶林議長は活動報告を行いました。全国政協会議の過去一年間の活動を顧みる際、賈慶林議長は「この一年間、第十期政治協商会議全国委員会とその常務委員会は団結と民主化の二つの大きなテーマをもって、経済建設を中心とする原則を堅持し、改革、発展、安定の全面にわたるサービスを提供し、政治協商、民主監督、政治参加、政治討議の職務を履行し、各方面の活動は新しい成果を収めた」と述べました。

　今回の会議のプレスセンターによりますと、過去一年間、全国政治協商会議は関連部門に4300件近い提案を手渡し、その内容には農業の基礎的な地位を強化し、食糧の安全と農家の収入増加を確保すること、都市部と農村部の経済の調和的な発展を推進すること、社会保障体制や医療体制改革を進めること、科学技術による国家振興戦略を実施すること、更に、安全生産の強化と祖国平和統一の促進なども加わって、重要な課題がたくさん含まれています。

　これらの提案の中に農村、農業、農民に関する問題が最も際立っており、提案数が300あまりに達しました。これらの提案は全て農業省など政府部門に手渡された後、政府の関係部門参考となり、採択されたこれらの提案によって農家には10億元の収入がもたらされました。例えば、中国の政治参加党の一つ民進党中央の提案によりますと、去年、政府は農村のメタンガス建設に10億元を投入し、それにより、収益の増えた農家は100万戸に達したとのことです。

　全国政治協商会議の賈慶林議長は活動報告でまた「これからの新しい一年の活動は政府と連携し、国民経済と社会発展第11次5カ年計画と2020年長期目標を制定することを活動の重点とする」と述べました。

　賈慶林議長はまた、「政協会議は提案と批判を主要な形式とする民主監督を着実に強化させるもので、国家憲法や法律、法規の実施と重大な方針政策の貫徹、国家機関とその関連職員の仕事などへの監督の役割を発揮しなければならない」と指摘しました。

　去年、中国共産党は社会主義の調和の取れた社会を建設する戦略的目標を明確に打ち出しました。これについて賈慶林議長は政協委員に次のようなことを要求しました

　賈慶林議長は「人民の利益を最優先にし、常に大衆に深く入り込み、大衆の苦しみに関心を寄せ、党と政府に積極的に協力し、大衆の困難を解決すること、大衆が関心を寄せる重要な課題を適時に了解し、民意を反映させる活動に力を入れること、党と政府に協力して、各方面の利益関係を妥当に処理し、人民に改革の成果を共に享受させるようにすること」と強調しました。

　10日間にわたる会議のなかで、中国各地からの政協委員2300人は中国政府、最高人民裁判所、最高検察院の活動報告を聴取し、中国の改革と発展の方針と国民が関心を寄せる問題に意見を提出することになります。