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4日間の予定で行なわれるIAEA・国際原子力機関理事会の春季会議は先月28日ウィーンで開幕しました。ここ2年間に開かれたほかの会議と同じように、今回はイラン核問題が主要な議題となりますが、アメリカのブッシュ大統領が先月末欧州を訪れたことや、ロシアとイランは27日原子力協定を結んだことから、イランの核問題は再び注目の的となりました。
IAEAのエルバラダイ事務局長は開会式に先立って「イランのすべての核施設を詳しく理解するため査察を引き続き行い、IAEAに登録していないいかなるものをも持っていないことを確認する。こうしてこそ、イランと国際社会の信頼が確立できるのだ」と表明し、イランは今後、国際社会との協力を強め、より多くの情報を開示するよう希望しました。
今回の会議ではイラン核問題をめぐる具体策を採択する予定はなく、関連の重要な決定は6月に行なわれる理事会で決定するということです。
イランを抑制することはアメリカにとって長期的な中東政策の構成部分で、イランに核開発を放棄させることはアメリカの対イラン政策の最も重要な内容です。アメリカは、イランが原子力の平和的利用を口実に核兵器の開発をしていると非難し、イランの核威嚇を繰り返しアピールしていますが、その目的はイランをアメリカの言うなりにするほか、これからの対イラン経済制裁または軍事行動のために口実を作ることにあります。
今年1月中旬以降、アメリカはイランへの圧力を強め、ブッシュ大統領やライス国務長官、ラムズフェルド国防長官はいずれも鮮明な対イランへの姿勢を示したことがあります。
しかし、アメリカの立場は、フランスやドイツ、イギリスを始めとするEUの反対に遭いました。ブッシュ大統領のヨーロッパ訪問期間、EU諸国の指導者は平和的な手段によるイラン問題の解決を改めて表明し、アメリカもこれに加わるよう呼びかけました。
イラク問題による欧米の食い違いを補うため、また各方面から圧力を受けていることから、ブッシュ大統領は訪問期間中、EUとイランの交渉への支持をやむを得ず表明しました。イランはイラクと違い、もし紛争が発生すれば、アメリカは勝つことが出来るかどうか確実な自信はないこともその一因だと見られます。アメリカはEUに支持を表明したものの、それはあくまでもやむを得ずしたもので、実は、交渉による問題解決に疑いを持っているのだとみられます。
一方、イラン問題に対し、ロシアはアメリカと大きな食い違いを持っています。ロシアは27日、イランの原子力発電所に核燃料を提供する協定を結びましたが、これは核問題で公にアメリカに反対する姿勢を示したものだとみられます。
ロシアとアメリカはそれぞれ完全に異なる戦略目標を持っているので、イラン核問題に異なった基準を持つのは当然のことです。伝えられるところによりますと、ロシアとイランが原子力開発協定を結んだことに、アメリカは非常に不満を持ち、このことは問題をもっと深刻化させたものだとみています。
一方、EUはこれについて、ロシアとイランの協力はEUの目標に矛盾しません。なぜなら、EUはイランの原子力の平和的利用に反対ではなく、イランに核燃料と核技術を提供する用意があるからです。イラン核問題において、アメリカはIAEAの大多数のメンバー国と食い違いがあるのだと見られます。
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