今回の選挙で最も注目されるのは、暫定国民議会の選挙です。7471人の立候補が275席を目指して争います、立候補者はそれぞれシーア派、スンニー派、クルド人の75の政治グループや、9の選挙連盟、27人の独立立候補を代表しています。暫定議会は、憲法制定や、大統領と2人の副大統領の指名、暫定政府の設置などに責任を持ちます。国連1546号決議によりますと、イラクの正式議会と政府は、今年12月31日に行なわれる正式選挙によって生まれることになっています。

　今回の投票ではクルド人有権者は国民議会だけでなく、クルド国民議会をも選びます。

　イラク政府が配布した食品配給証明書のデータによりますと、イラクには18歳以上の有権者は2005年1月1日現在、約1500万人あまりを数え、海外に有権者は120万人います。現在、イラク国内では5572ヶ所の投票所が設けられていますが、治安問題を考慮して、まだ公開されていない投票所は少なくないと見られます。

　しかし、イラクの主要な政治団体は選挙をボイコットすると宣言したことで、選挙の普遍性と権威性が疑われています。イラクは占拠されたままで、治安が不安定な下で、公正な選挙は無理であり、強いて選挙を行なうのはイラク人民の全体的利益に不利だとみられます。

　現在、イラクの選挙管理委員会は、1万2000人からなる選挙監視グループを設けており、中には128人の国際機関の監視員も含まれます。イラク暫定政府は監視員の派遣を国際社会に呼びかけていますが、イラク治安情勢の悪化を理由に、監視員の派遣数は多くありません。EUとロシアはすでに監視員を派遣しないと明確に表明しました。監督が不備なため、投票する過程で不正が起こると懸念されています。